2009年 07月 16日
花の想い出 |
季節の移り変わりは早いものだ。歳をとればとるほどそうだ。つい先頃までは、アジサイが真っ盛りであったが、もうカンナが咲き、コスモスまで見られるようになった。アッと言う間に主役が交代する。晩春から初夏にかけて咲く花で、ワガハイが好きなのは、ミツバツツジとササユリだ。
ミツバツツジは、ピンク色で山裾にこじんまりと咲いている。レンゲツツジは少しどぎついし、ヤマツツジもムードはあるが、それほど好きではない。ツツジでは、ミツバツツジが一番だ。ササユリも、山間に何気なく咲いているのが特徴だ。残念ながら関西にしかない。
ワガハイは関東に住んでいる。ミツバツツジは少し郊外に出ればお目に掛かるが、ササユリを見るには田舎に帰らなければいけない。花の咲く時期に合わせて帰省することはなかなか難しい。いつか、のんびりと帰省し、思う存分にこの花を愛でたいと考えている。
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」。美人を花に例えた言葉だ。昔、ヨメにするなら「谷間のササユリ」のような女性だ。と言っていたことがある。清楚で目立たず可憐だからだ。現実は「埃にまみれた路傍のドクダミ」だった。もっともドクダミは、名前がよろしくないが、臭いはあるものの花はかわいらしい。よく見るとそれほど悪くはない花だ。ワガハイの配偶者と比べるのは、いささか気の毒なような気がする。
この話を先輩宅でしたことがある。先輩は若い頃からフランスに入れ込んで、大学でも仏文を専攻した。パリに行ったことがない頃でも、パリ市内の裏通りにまで精通していた。学生時代からフランスの詩を翻訳。女性をその世界に引きずり込んで、甘言を並べ立てて口説いたようだ。先輩の配偶者も「犠牲者」の一人だった可能性もある。
その先輩。「お前は、花を求めていたからまだいいよ」 「オレなんか、夜道でキラキラする物が落ちていたので、百円玉だと思って得した気分で帰って明るい所で見たら、穴の空いた五円玉だったもんね。それがこれだよ」。先輩は横に座っていた配偶者を指差した。配偶者は黙ってニコニコしていたのが印象的だ。
ササユリとドクダミ、百円玉と五円玉。「落差」は、いずれが大きいのか判別が難しい。「理想」と「現実」の乖離は、そんなものかもしれない。結果論で評価するしかない。この季節、ユリの香りが花屋の前を通るたびに漂ってくると、ササユリの咲く田舎の里山が懐かしく蘇る。
ミツバツツジは、ピンク色で山裾にこじんまりと咲いている。レンゲツツジは少しどぎついし、ヤマツツジもムードはあるが、それほど好きではない。ツツジでは、ミツバツツジが一番だ。ササユリも、山間に何気なく咲いているのが特徴だ。残念ながら関西にしかない。
ワガハイは関東に住んでいる。ミツバツツジは少し郊外に出ればお目に掛かるが、ササユリを見るには田舎に帰らなければいけない。花の咲く時期に合わせて帰省することはなかなか難しい。いつか、のんびりと帰省し、思う存分にこの花を愛でたいと考えている。
「立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花」。美人を花に例えた言葉だ。昔、ヨメにするなら「谷間のササユリ」のような女性だ。と言っていたことがある。清楚で目立たず可憐だからだ。現実は「埃にまみれた路傍のドクダミ」だった。もっともドクダミは、名前がよろしくないが、臭いはあるものの花はかわいらしい。よく見るとそれほど悪くはない花だ。ワガハイの配偶者と比べるのは、いささか気の毒なような気がする。
この話を先輩宅でしたことがある。先輩は若い頃からフランスに入れ込んで、大学でも仏文を専攻した。パリに行ったことがない頃でも、パリ市内の裏通りにまで精通していた。学生時代からフランスの詩を翻訳。女性をその世界に引きずり込んで、甘言を並べ立てて口説いたようだ。先輩の配偶者も「犠牲者」の一人だった可能性もある。
その先輩。「お前は、花を求めていたからまだいいよ」 「オレなんか、夜道でキラキラする物が落ちていたので、百円玉だと思って得した気分で帰って明るい所で見たら、穴の空いた五円玉だったもんね。それがこれだよ」。先輩は横に座っていた配偶者を指差した。配偶者は黙ってニコニコしていたのが印象的だ。
ササユリとドクダミ、百円玉と五円玉。「落差」は、いずれが大きいのか判別が難しい。「理想」と「現実」の乖離は、そんなものかもしれない。結果論で評価するしかない。この季節、ユリの香りが花屋の前を通るたびに漂ってくると、ササユリの咲く田舎の里山が懐かしく蘇る。
by everyoung
| 2009-07-16 11:45
| 言いたい放題
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Comments(1)