2009年 09月 13日
目標の意味 |
鳩山由紀夫次期首相が先日、温室効果ガスの25%削減を打ち出した。日本はすでに、二酸化炭素の排出を相当制限してきており、乾いたタオルをさらに絞り込まねば達成できない水準だ。産業構造や社会生活全般に大きな影響が出そうだ。街角で「屁」をこいても罰金を取られることになるかもしれない。
目標は、高過ぎるとはじめから諦めてしまう。逆に低いとバカにして真面目に取り組まない傾向がある。25%の削減目標は、1990年と2020年を比較した水準で設定している。これが、どの程度の達成困難さを示すかは、具体的なシミュレーションがないので即断できない。鳩山氏は、米国の人類月面着陸を目指した「アポロ計画」を例に、「目標ありき」の重要性を指摘している。政治の役割としては大事なことであり、同感だ。
二酸化炭素の最大の吐き手は、電力や鉄鋼だ。鳩山目標を実現するには、例えば現在の火力発電所を原子力発電所に変える必要がある。原発1基の建設には最低でも20年かかる。これだけ見ても2020年には間に合わない。省エネ家電や住宅、エコ製品の開発についても費用や時間が掛かる。一つ一つ取り上げると、「無理」という回答が出てきそうだ。それは今の技術の延長で考えるからだ。
仮に日本が目標を達成しても、地球全体でどれほどの温暖化防止に役立つかは怪しげだ。特に中国や米国が削減努力をしないと意味がない。日本が両国を説得できるほどの外交力を持っているとは考えにくい。ワガハイは、温暖化対策の効果をそれほど期待していない。むしろその結果、低炭素化社会が実現することに意味があると考えている。
日本は、エネルギー輸入依存度が極端に高い。化石燃料の限界は、今世紀いっぱいに来るのは確実だ。それまでに脱石油産業を育成、社会構造も大きな転換をしなければならない。今回の目標設定はそれに向けてのよいチャンスだ。政治が主導し、次世代エネルギー開発に大掛かりな投資をすべきである。
民間企業は、原油価格が上がると本気になって代替エネルギー開発に取り組むが、下がるとなまけてしまう。経済合理性で動いているからだ。継続的大規模な開発投資を促すには、国が動くことが必要なのだ。温暖化対策の効果が目標通りに達成できなくても、画期的な次世代エネルギー開発が促進されれば、この分野で国際的優位に立つことができる。
米国は温暖化対策に及び腰だが、グリーンエネルギー開発には力を入れている。中国は独裁国家である。国家が本気になれば思い切った技術開発投資をする可能性もある。日本は先手を取るべきだ。温室効果ガスの削減は、あくまで表向きのテーマだ。本当の狙いは、次世代のエネルギー戦略にあることを念頭におかなければならない。
目標は、高過ぎるとはじめから諦めてしまう。逆に低いとバカにして真面目に取り組まない傾向がある。25%の削減目標は、1990年と2020年を比較した水準で設定している。これが、どの程度の達成困難さを示すかは、具体的なシミュレーションがないので即断できない。鳩山氏は、米国の人類月面着陸を目指した「アポロ計画」を例に、「目標ありき」の重要性を指摘している。政治の役割としては大事なことであり、同感だ。
二酸化炭素の最大の吐き手は、電力や鉄鋼だ。鳩山目標を実現するには、例えば現在の火力発電所を原子力発電所に変える必要がある。原発1基の建設には最低でも20年かかる。これだけ見ても2020年には間に合わない。省エネ家電や住宅、エコ製品の開発についても費用や時間が掛かる。一つ一つ取り上げると、「無理」という回答が出てきそうだ。それは今の技術の延長で考えるからだ。
仮に日本が目標を達成しても、地球全体でどれほどの温暖化防止に役立つかは怪しげだ。特に中国や米国が削減努力をしないと意味がない。日本が両国を説得できるほどの外交力を持っているとは考えにくい。ワガハイは、温暖化対策の効果をそれほど期待していない。むしろその結果、低炭素化社会が実現することに意味があると考えている。
日本は、エネルギー輸入依存度が極端に高い。化石燃料の限界は、今世紀いっぱいに来るのは確実だ。それまでに脱石油産業を育成、社会構造も大きな転換をしなければならない。今回の目標設定はそれに向けてのよいチャンスだ。政治が主導し、次世代エネルギー開発に大掛かりな投資をすべきである。
民間企業は、原油価格が上がると本気になって代替エネルギー開発に取り組むが、下がるとなまけてしまう。経済合理性で動いているからだ。継続的大規模な開発投資を促すには、国が動くことが必要なのだ。温暖化対策の効果が目標通りに達成できなくても、画期的な次世代エネルギー開発が促進されれば、この分野で国際的優位に立つことができる。
米国は温暖化対策に及び腰だが、グリーンエネルギー開発には力を入れている。中国は独裁国家である。国家が本気になれば思い切った技術開発投資をする可能性もある。日本は先手を取るべきだ。温室効果ガスの削減は、あくまで表向きのテーマだ。本当の狙いは、次世代のエネルギー戦略にあることを念頭におかなければならない。
by everyoung
| 2009-09-13 14:52
| 言いたい放題
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