2010年 02月 26日
三度目に幸運 |
ワガハイの読書傾向は一定ではない。最近は新刊本はほとんど買わない。日常的には、近くの図書館で適当に選んでヒマをつぶすことが多い。先日たまたま借りて読んだ本に、永井路子作の「姫の戦国」というのがあった。今川義元の母・悠姫(寿桂尼)の生涯を描いたものだ。なかなか面白かった。
この本の隣りに並んで置いてあったのが、同じ永井作の「乱紋」だ。これもついでに読んだ。いつもながら内容も確かめないで、読み始めるのがワガハイの習性だ。読んでみないと面白いか、そうでないかわからないためだ。
「乱紋」は、徳川二代将軍の正室となった「江」姫を扱っている。「江」のお付きの「ちか」が見た「江」の人となりが中心に描かれており、主人公は「ちか」といえよう。「乱紋」をちょうど読んでいる時に、次期NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」のヒロインに上野樹里の登用が決まったニュースが流れた。
大河ドラマの「江」は、「乱紋」と同じ「江」姫のことである。こちらの方の原作・脚本は田渕久美子で、取り上げ方は永井の作品とは多少違うかもしれない。「江」は、浅井長政と織田信長の妹「市」との間で生まれた3姉妹の末っ子だ。長姉が豊臣秀吉の側室で「淀」と呼ばれた「茶々」で、次姉が京極高次に嫁いだ「初」だ。
慶応義塾大学の先生で大脳生理学者であった林髞氏の学説に、「人生結婚ニ度説」というのがある。男の場合、若い頃に年増と一度結婚する。自分が中年になる頃には女の方が死ぬ。死ななければ離婚する。いずれでも、次は若い女性に乗り換え二度目の結婚をする。女性の場合はこの逆だが、理屈は同じだ。結婚を二度することにより、人生が一段と楽しめるというわけだ。
「江」は三度結婚した。最初の相手は佐治与九郎。二度目が羽柴秀勝。秀忠は三度目で、いずれの場合も「江」の意志ではなく、政略結婚である。特に秀忠との結婚を画策したのは姉の「茶々」で、秀吉の関心を一人占めにする狙いもあったようだ。
永井の小説によると、「茶々」と「初」は母親似の美人で、「江」はそうではなかったことになっている。当時のモノサシでの「美人」が、今の「美人」の定義に当てはまるのかはいささか疑問だ。「江」の容貌は別として、性格的には物怖じしない、おっとりとした掴み所のない自然体の女性だった。このことが幸いしたかもしれない。
言われるままに三度目の結婚をした「江」は、姉妹の中で最終的に一番幸せを掴んだ。秀忠は、二代将軍となり、子の家光は三代将軍となった。子の「千」姫は、秀吉と「茶々」の子・秀頼に嫁いだが、大阪城落城の際に救出。末の和子を通じて天皇家(後水尾天皇)にも血を繋げた。「初」は中途半端で終わり、一時権勢を権勢を振るったかに見えた「茶々」の最後は哀れであった。
ワガハイも、三度ぐらい結婚していれば何かいいことがあったかもしれない。現状では、三度どころか二度もダメだ。世の男性は、配偶者を新品に取り替えたいと常に考えているだろうが、その前に古いのを始末しなければいけない。これは相当難儀なことで、一般的にはまず無理であろう。諦めるしかないか。
この本の隣りに並んで置いてあったのが、同じ永井作の「乱紋」だ。これもついでに読んだ。いつもながら内容も確かめないで、読み始めるのがワガハイの習性だ。読んでみないと面白いか、そうでないかわからないためだ。
「乱紋」は、徳川二代将軍の正室となった「江」姫を扱っている。「江」のお付きの「ちか」が見た「江」の人となりが中心に描かれており、主人公は「ちか」といえよう。「乱紋」をちょうど読んでいる時に、次期NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」のヒロインに上野樹里の登用が決まったニュースが流れた。
大河ドラマの「江」は、「乱紋」と同じ「江」姫のことである。こちらの方の原作・脚本は田渕久美子で、取り上げ方は永井の作品とは多少違うかもしれない。「江」は、浅井長政と織田信長の妹「市」との間で生まれた3姉妹の末っ子だ。長姉が豊臣秀吉の側室で「淀」と呼ばれた「茶々」で、次姉が京極高次に嫁いだ「初」だ。
慶応義塾大学の先生で大脳生理学者であった林髞氏の学説に、「人生結婚ニ度説」というのがある。男の場合、若い頃に年増と一度結婚する。自分が中年になる頃には女の方が死ぬ。死ななければ離婚する。いずれでも、次は若い女性に乗り換え二度目の結婚をする。女性の場合はこの逆だが、理屈は同じだ。結婚を二度することにより、人生が一段と楽しめるというわけだ。
「江」は三度結婚した。最初の相手は佐治与九郎。二度目が羽柴秀勝。秀忠は三度目で、いずれの場合も「江」の意志ではなく、政略結婚である。特に秀忠との結婚を画策したのは姉の「茶々」で、秀吉の関心を一人占めにする狙いもあったようだ。
永井の小説によると、「茶々」と「初」は母親似の美人で、「江」はそうではなかったことになっている。当時のモノサシでの「美人」が、今の「美人」の定義に当てはまるのかはいささか疑問だ。「江」の容貌は別として、性格的には物怖じしない、おっとりとした掴み所のない自然体の女性だった。このことが幸いしたかもしれない。
言われるままに三度目の結婚をした「江」は、姉妹の中で最終的に一番幸せを掴んだ。秀忠は、二代将軍となり、子の家光は三代将軍となった。子の「千」姫は、秀吉と「茶々」の子・秀頼に嫁いだが、大阪城落城の際に救出。末の和子を通じて天皇家(後水尾天皇)にも血を繋げた。「初」は中途半端で終わり、一時権勢を権勢を振るったかに見えた「茶々」の最後は哀れであった。
ワガハイも、三度ぐらい結婚していれば何かいいことがあったかもしれない。現状では、三度どころか二度もダメだ。世の男性は、配偶者を新品に取り替えたいと常に考えているだろうが、その前に古いのを始末しなければいけない。これは相当難儀なことで、一般的にはまず無理であろう。諦めるしかないか。
by everyoung
| 2010-02-26 10:27
| 言いたい放題
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