2010年 09月 29日
独裁者の世襲 |
北朝鮮のキムジョンイル(金正日)総書記の後継者に、三男のジョンウン氏がなりそうな気配だ。ジョンウン氏が、兄を飛び越えて突然、軍の大将に登用されたためだ。後は労働党の要職に就くかどうかによって確実度が増す。ジョンイルが辞めたわけではないので、いつ交代するのかは不明だ。
ジョンウン氏については、よくわからないことが多い。一部情報では、20代の後半とされているが、生誕地も生年月日も明確ではない。名前の漢字表記も不明だ。写真も新聞などで取り上げられているが、本人かどうかも曖昧だ。母親は、大阪在住の在日朝鮮人だったことだけは事実のようだ。
スイスに留学していたとも言われるが、偽名での学生生活で本人確認はできていない。バスケット好きで、コンピュータや英語の知識はかなりあるようだ。日本も死んだ人の歳を数えていたような国だから大きなことは言えないが、一国の指導者になろうとする者の正確なデータさえ公表されていない不思議な国だ。
仮に、このままジョンウン氏が総書記になれば、三代目の世襲となる。共産国家や社会主義国家では、権力者の世襲性はほとんどない。日本でいえば戦国時代のようなもので、時代錯誤も甚だしい。北朝鮮は労働党の一党独裁国家ではなく、キム氏の「親族国家」である。
キムジョンイル総書記は、三男だけでなく実妹を同じ軍の大将にし、さらにその夫を今回の人事に先立って国防委の副委員長に抜擢している。ジョンウン氏を身内がサポートする体制を構築した。全体主義国家では、権力を握るには軍を支配することが不可欠だ。武器弾薬が伴わなければ、独裁体制は安定しない。
「売り家と唐様で書く三代目」という言葉がある。初代は苦労して事業を起し大成する。二代目は父親の苦しみや努力を見て育つ。父に倣って事業に打ち込み、発展させることが可能だ。三代目になると、親にも余裕ができて、子どもは「ボンボン」で育つ。文化的知識だけが豊富な世間知らずとなり、継いだ事業も疎かになる。結局は破綻して財産も売り飛ばすハメになる。「売り家」という字だけが「唐様」で立派であるだけだと皮肉っている。
これを北朝鮮に当てはめると、初代はキムイルソン(金日成)だ。「建国の父」として国内では崇められているが、過去を見るとそれほどの人物ではない。イルソンの「功績」を受け継いだのがジョンイルだ。ジョンイルは、世間の二代目ほどの器ではない。国内はガタガタで、何とか国を維持してきたが気違い指導者に等しい。
三代目の力量は全く不明だ。「唐様で書く」能力はあるようだが、肝心の軍と党の掌握が、経験の乏しいジョンウン氏にできるかだ。北朝鮮は、売り飛ばしても何の価値もない国だが、核とミサイルという「刃物」を持っている。日本との関係ではさらに拉致問題がある。
これはジョンイル体制では解決は難しい。ジョンウン氏に変わった方が突破口が開ける可能性がある。ジョンウン氏も「ボンボン」には違いないが、少なくとも西側の空気を吸って来た経験がある。北朝鮮のような国は、世界に害あって益なしだ。早く消滅すべきである。そのためには、ジョンウン氏が軟着陸して軌道修正を図るか、軍内部からのクーデターに期待するしかない。後者は方向を間違えば危険で、前者が望ましい。
ジョンウン氏については、よくわからないことが多い。一部情報では、20代の後半とされているが、生誕地も生年月日も明確ではない。名前の漢字表記も不明だ。写真も新聞などで取り上げられているが、本人かどうかも曖昧だ。母親は、大阪在住の在日朝鮮人だったことだけは事実のようだ。
スイスに留学していたとも言われるが、偽名での学生生活で本人確認はできていない。バスケット好きで、コンピュータや英語の知識はかなりあるようだ。日本も死んだ人の歳を数えていたような国だから大きなことは言えないが、一国の指導者になろうとする者の正確なデータさえ公表されていない不思議な国だ。
仮に、このままジョンウン氏が総書記になれば、三代目の世襲となる。共産国家や社会主義国家では、権力者の世襲性はほとんどない。日本でいえば戦国時代のようなもので、時代錯誤も甚だしい。北朝鮮は労働党の一党独裁国家ではなく、キム氏の「親族国家」である。
キムジョンイル総書記は、三男だけでなく実妹を同じ軍の大将にし、さらにその夫を今回の人事に先立って国防委の副委員長に抜擢している。ジョンウン氏を身内がサポートする体制を構築した。全体主義国家では、権力を握るには軍を支配することが不可欠だ。武器弾薬が伴わなければ、独裁体制は安定しない。
「売り家と唐様で書く三代目」という言葉がある。初代は苦労して事業を起し大成する。二代目は父親の苦しみや努力を見て育つ。父に倣って事業に打ち込み、発展させることが可能だ。三代目になると、親にも余裕ができて、子どもは「ボンボン」で育つ。文化的知識だけが豊富な世間知らずとなり、継いだ事業も疎かになる。結局は破綻して財産も売り飛ばすハメになる。「売り家」という字だけが「唐様」で立派であるだけだと皮肉っている。
これを北朝鮮に当てはめると、初代はキムイルソン(金日成)だ。「建国の父」として国内では崇められているが、過去を見るとそれほどの人物ではない。イルソンの「功績」を受け継いだのがジョンイルだ。ジョンイルは、世間の二代目ほどの器ではない。国内はガタガタで、何とか国を維持してきたが気違い指導者に等しい。
三代目の力量は全く不明だ。「唐様で書く」能力はあるようだが、肝心の軍と党の掌握が、経験の乏しいジョンウン氏にできるかだ。北朝鮮は、売り飛ばしても何の価値もない国だが、核とミサイルという「刃物」を持っている。日本との関係ではさらに拉致問題がある。
これはジョンイル体制では解決は難しい。ジョンウン氏に変わった方が突破口が開ける可能性がある。ジョンウン氏も「ボンボン」には違いないが、少なくとも西側の空気を吸って来た経験がある。北朝鮮のような国は、世界に害あって益なしだ。早く消滅すべきである。そのためには、ジョンウン氏が軟着陸して軌道修正を図るか、軍内部からのクーデターに期待するしかない。後者は方向を間違えば危険で、前者が望ましい。
by everyoung
| 2010-09-29 16:15
| 言いたい放題
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