2011年 04月 30日
沖縄と福島 |
国家建設や社会インフラの構築を進める場合、中国のような共産党一党独裁体制は、発展途上国の為政者にとって実に都合がよい仕組みだ。党の意思を最優先し、住民の権利や主張を無視して何でもできるからだ。国家が成熟し、多様な価値観生まれて来るとそうはいかない。
民主主義国家では、住民の異なる価値観から公約数を求め、合意を得なければならない。何事をやるにも膨大なカネと時間が掛かる。国民にとってどちらが幸せかは明確だが、民主主義国家の指導者にとっては、中国が羨ましくてしょうがないだろう。
日本は、自由で民主主義を標榜する国家である。先の大戦で敗北、これが国家体制を変える要因となった。半面、戦後一時米軍の占領下になったため、国家安全保障の面では米軍の意思が尊重された。その結果、多くの米軍基地が沖縄を中心に点在することになった。近隣住民に対しては多額の「補償金」が支払われたが、敗戦国として基地の存続を強要された面は否めない。
福島原発の場合はどうか。今月の「第四の不幸」でも触れたが、国家権力を背景に福島住民の意思を無視して強行したものではない。受け入れのための条件があったものの、民主主義的手段や手続きを経て建設された。原発事故があろうがなかろうが、原発誘致に対しては住民や自治体にも応分の責任があるということだ。
首都圏で生活する人の大部分は福島県を含めた地方出身者である。首都圏は、地方からの「出稼ぎ」や「口減らし」の受け皿になっていることを忘れてはならない。福島原発による電力は首都圏向けである。福島県人にとっては、「他人のための供給源」という被害者意識が強いが、首都圏に住む自らの家族や親族の生活のためであることも承知しておくべきだ。
エネルギーだけでなく、空港、港湾、鉄道、高速道路など一般的な社会インフラについても、近隣住民は必ず反対運動を展開する。そのために巨額な「補償金」が伴うほか、用地買収も容易ではない。「目障りなものは取り除きたい」という心境は理解できるが、どこかで妥協、犠牲を国民全体で分担するしかない。民主主義国家としての宿命でもある(07年7月「住民エゴ」参照)。
民主主義国家では、住民の異なる価値観から公約数を求め、合意を得なければならない。何事をやるにも膨大なカネと時間が掛かる。国民にとってどちらが幸せかは明確だが、民主主義国家の指導者にとっては、中国が羨ましくてしょうがないだろう。
日本は、自由で民主主義を標榜する国家である。先の大戦で敗北、これが国家体制を変える要因となった。半面、戦後一時米軍の占領下になったため、国家安全保障の面では米軍の意思が尊重された。その結果、多くの米軍基地が沖縄を中心に点在することになった。近隣住民に対しては多額の「補償金」が支払われたが、敗戦国として基地の存続を強要された面は否めない。
福島原発の場合はどうか。今月の「第四の不幸」でも触れたが、国家権力を背景に福島住民の意思を無視して強行したものではない。受け入れのための条件があったものの、民主主義的手段や手続きを経て建設された。原発事故があろうがなかろうが、原発誘致に対しては住民や自治体にも応分の責任があるということだ。
首都圏で生活する人の大部分は福島県を含めた地方出身者である。首都圏は、地方からの「出稼ぎ」や「口減らし」の受け皿になっていることを忘れてはならない。福島原発による電力は首都圏向けである。福島県人にとっては、「他人のための供給源」という被害者意識が強いが、首都圏に住む自らの家族や親族の生活のためであることも承知しておくべきだ。
エネルギーだけでなく、空港、港湾、鉄道、高速道路など一般的な社会インフラについても、近隣住民は必ず反対運動を展開する。そのために巨額な「補償金」が伴うほか、用地買収も容易ではない。「目障りなものは取り除きたい」という心境は理解できるが、どこかで妥協、犠牲を国民全体で分担するしかない。民主主義国家としての宿命でもある(07年7月「住民エゴ」参照)。
by everyoung
| 2011-04-30 09:12
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