2011年 06月 21日
制度を見直せ |
政局のゴタゴタと大震災の復興はいずれ落ち着く。次の大きなテーマは、社会保障と税の一体改革になるだろう。社会保障費は、放っておいても毎年1兆円も増えていく。これを何とかしなければならない。最終的には増税で辻褄を合わせることになるが、その前にやることが山ほどある。
ムダの削減は言うまでもないが、増税を打ち出すからには、社会保障制度にもメスを入れなければならない。これまでにも何度か取り上げたが(10年4月「高齢者優遇」、同6月「公的負担」、同7月「最低保証」など参照)、現制度にはいくつかおかしなところがある。
一つは生活保護制度だ。受給人口は、この6月でついに200万人を突破した。仕事がないとの理由で申請が急増したためだ。生活保護は、本人や家庭環境などで働くことができない「弱者」が対象でなければならない。本来は、将来自立するための支援が目的である。
実際は、五体満足で働くことが可能な層がかなり多い。仕事がないのではなく、仕事を選んでいるのだ。あまり数字は公表されないが、ハローワークの未充足求人数は30%以上にも達している。つまり、求人側と求職側でミスマッチが起こっているのが実態だ。これをある程度埋め合わせているのが外国人労働者だ。
懲役刑でも食らわない限り、何人も仕事を選ぶ権利はある。嫌な仕事を強制的にやらせることはできない。嫌な仕事の典型はいわゆる3Kだ。やりたくない仕事をしたり、暫定的な仕事に就くより、遊んで生活保護を受けていた方が幸せだという考え方だ。「弱者」ではなく、単なる怠け者ということだ。
これを防ぐには、奨学金のような制度にした方がよい。無利子で貸し付けて、就職したら長期間掛けて返すような仕組みだ。本物の「弱者」には、条件により返済を免除するようなことを考えればよい。タダでカネを配ることは、労働意欲がなくなりロクなことはない。
次は医療制度だ。かつて老人医療はタダであった。大した病気でなくても通院し、病院が老人の「サロン」に化した時期があった。その後、「75歳以上1割負担」の後期高齢者制度の導入が打ち出されたが、批判の的になり宙に浮いた形だ。
ワガハイの年代の自己負担は3割だ。もともと医者にはあまり縁がない方だが、それでも昔に比べれば負担感が増えたため、一段と遠のいた。70歳になれば2割(現在1割)に減る。歳を取れば医療費は多くなるが、負担は少なくなる。受益者負担に逆行した制度である。
年齢で線引きして段差を設けることに国民的抵抗がある。ならば病名で負担割り合いを変えるようにした方がよい。重病ほど負担割合を軽減し、軽度の病気の場合は全額負担する考え方だ。風邪や軽い怪我など命に別状がない場合は医者に掛からなくなり、全体として医療費の低減に繋がる。
英国やフランス、ドイツ、韓国などでは採用している。どの病気をどのカテゴリーに入れるかで議論はある。前回指摘したように医者に掛かる回数で保険料を変える方法なども含め、医療のあり方を見直すことが必要だ。消費税の増税時期や幅だけが先行しているが、年金や介護も含めた社会保障制度全体の論議をもっと急ぐべきだ。
ムダの削減は言うまでもないが、増税を打ち出すからには、社会保障制度にもメスを入れなければならない。これまでにも何度か取り上げたが(10年4月「高齢者優遇」、同6月「公的負担」、同7月「最低保証」など参照)、現制度にはいくつかおかしなところがある。
一つは生活保護制度だ。受給人口は、この6月でついに200万人を突破した。仕事がないとの理由で申請が急増したためだ。生活保護は、本人や家庭環境などで働くことができない「弱者」が対象でなければならない。本来は、将来自立するための支援が目的である。
実際は、五体満足で働くことが可能な層がかなり多い。仕事がないのではなく、仕事を選んでいるのだ。あまり数字は公表されないが、ハローワークの未充足求人数は30%以上にも達している。つまり、求人側と求職側でミスマッチが起こっているのが実態だ。これをある程度埋め合わせているのが外国人労働者だ。
懲役刑でも食らわない限り、何人も仕事を選ぶ権利はある。嫌な仕事を強制的にやらせることはできない。嫌な仕事の典型はいわゆる3Kだ。やりたくない仕事をしたり、暫定的な仕事に就くより、遊んで生活保護を受けていた方が幸せだという考え方だ。「弱者」ではなく、単なる怠け者ということだ。
これを防ぐには、奨学金のような制度にした方がよい。無利子で貸し付けて、就職したら長期間掛けて返すような仕組みだ。本物の「弱者」には、条件により返済を免除するようなことを考えればよい。タダでカネを配ることは、労働意欲がなくなりロクなことはない。
次は医療制度だ。かつて老人医療はタダであった。大した病気でなくても通院し、病院が老人の「サロン」に化した時期があった。その後、「75歳以上1割負担」の後期高齢者制度の導入が打ち出されたが、批判の的になり宙に浮いた形だ。
ワガハイの年代の自己負担は3割だ。もともと医者にはあまり縁がない方だが、それでも昔に比べれば負担感が増えたため、一段と遠のいた。70歳になれば2割(現在1割)に減る。歳を取れば医療費は多くなるが、負担は少なくなる。受益者負担に逆行した制度である。
年齢で線引きして段差を設けることに国民的抵抗がある。ならば病名で負担割り合いを変えるようにした方がよい。重病ほど負担割合を軽減し、軽度の病気の場合は全額負担する考え方だ。風邪や軽い怪我など命に別状がない場合は医者に掛からなくなり、全体として医療費の低減に繋がる。
英国やフランス、ドイツ、韓国などでは採用している。どの病気をどのカテゴリーに入れるかで議論はある。前回指摘したように医者に掛かる回数で保険料を変える方法なども含め、医療のあり方を見直すことが必要だ。消費税の増税時期や幅だけが先行しているが、年金や介護も含めた社会保障制度全体の論議をもっと急ぐべきだ。
by everyoung
| 2011-06-21 23:33
| 言いたい放題
|
Comments(1)
Commented
by
村石太マン&石川
at 2011-07-03 08:59
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複雑な世の中ですね。仕事と賃金問題 他
人生で 最悪な場合 生活保護は みんなが 受けれるのかなぁ
公園のルンペンは どうしてかなぁ?
人生で 最悪な場合 生活保護は みんなが 受けれるのかなぁ
公園のルンペンは どうしてかなぁ?
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