2012年 03月 11日
無過失責任 |
東日本大震災から1年経った。一つの節目であり、新聞やテレビは「これでもか」と特集を繰り返している。被災地の風景を見る限り、多少の片付けが進んでいるものの、復興にはほど遠いようだ。今回の災害は、揺れそのものよりは、津波と原発事故の影響が注目された。
気になることがある。以前にも取り上げたが、原発事故の責任問題がはっきりしないことだ。今もって司法判断が示されていない。世間では、東京電力ばかり「悪者」にされているが、ワガハイは東電だけでなく政府、自治体も同罪だとの認識を持っている。
原子力損害賠償法は、無過失責任が原則となっている。過失があろうがなかろうが、事業体に賠償責任がある。この考え方は公害が社会問題化してから導入された経緯がある。重要な点は、法律の但し書きで、「異常で巨大な天災地変」の場合は、この限りではないとなっていることだ。
政府は、「異常で巨大な天災地変」ではないとして、「一義的な責任は東電にある」との立場を取っている。そうしなければならない事情があり、以前にも触れた(11年7月「責任の所在」など参照)。妥協の産物として「原子力損害賠償支援機構」を作ったが、最終的には電力会社が負担する仕組みになっている。
東電を丸裸にしても、損害賠償や原発の後処理の費用は出ない。何らかの方法で国民が負担しなければならない。国民の税金で支払われるか、電力料金としての受益者負担になるかのいずれかだ。その場合には、責任の所在を明確しておく必要がある。
原子力政策は、国の方針で決まったものだ。安全基準も国の機関が定め、電力会社がそれを遵守して事業を展開して来た。東電が、国の政策や基準に違反した事実はない。国が「異常で巨大な天災地変」ではないと解釈するなら、安全基準は何を前提にしていたのか。異常でも巨大でもなければ、本来は安全でなければならないことになる。政府は、基準の見直しに着手しているが、それは事後の話だ。
もう一つは、過失相殺という考え方がどうなっているのかという点だ。過失相殺は、被害者側の過失も一定割合認めるものだ。当該自治体は、原発マネーを山ほど受け取り、人の羨むほどの社会インフラや箱ものを造って来た。原発を受け入れに当たってはゼニだけではない。安全性についても了承して来た経緯がある。自治体とて「被害者面」だけでは済まされない。応分の責任があって当然だ。
かつて、耐震構造問題が発覚した時、建築士や施工業者を処分したが、制度欠陥があるにも関わらず国交省は最後まで黙りを決め込み、罪を逃れた。今回の原発事故でも、政府や自治体の関係者は、誰一人責任を取っていない。東電攻撃を自らの免責に利用しているかのようだ。
気になることがある。以前にも取り上げたが、原発事故の責任問題がはっきりしないことだ。今もって司法判断が示されていない。世間では、東京電力ばかり「悪者」にされているが、ワガハイは東電だけでなく政府、自治体も同罪だとの認識を持っている。
原子力損害賠償法は、無過失責任が原則となっている。過失があろうがなかろうが、事業体に賠償責任がある。この考え方は公害が社会問題化してから導入された経緯がある。重要な点は、法律の但し書きで、「異常で巨大な天災地変」の場合は、この限りではないとなっていることだ。
政府は、「異常で巨大な天災地変」ではないとして、「一義的な責任は東電にある」との立場を取っている。そうしなければならない事情があり、以前にも触れた(11年7月「責任の所在」など参照)。妥協の産物として「原子力損害賠償支援機構」を作ったが、最終的には電力会社が負担する仕組みになっている。
東電を丸裸にしても、損害賠償や原発の後処理の費用は出ない。何らかの方法で国民が負担しなければならない。国民の税金で支払われるか、電力料金としての受益者負担になるかのいずれかだ。その場合には、責任の所在を明確しておく必要がある。
原子力政策は、国の方針で決まったものだ。安全基準も国の機関が定め、電力会社がそれを遵守して事業を展開して来た。東電が、国の政策や基準に違反した事実はない。国が「異常で巨大な天災地変」ではないと解釈するなら、安全基準は何を前提にしていたのか。異常でも巨大でもなければ、本来は安全でなければならないことになる。政府は、基準の見直しに着手しているが、それは事後の話だ。
もう一つは、過失相殺という考え方がどうなっているのかという点だ。過失相殺は、被害者側の過失も一定割合認めるものだ。当該自治体は、原発マネーを山ほど受け取り、人の羨むほどの社会インフラや箱ものを造って来た。原発を受け入れに当たってはゼニだけではない。安全性についても了承して来た経緯がある。自治体とて「被害者面」だけでは済まされない。応分の責任があって当然だ。
かつて、耐震構造問題が発覚した時、建築士や施工業者を処分したが、制度欠陥があるにも関わらず国交省は最後まで黙りを決め込み、罪を逃れた。今回の原発事故でも、政府や自治体の関係者は、誰一人責任を取っていない。東電攻撃を自らの免責に利用しているかのようだ。
by everyoung
| 2012-03-11 21:28
| 言いたい放題
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