2012年 04月 02日
産地は大変 |
放射性セシウムによる食品被曝量の上限値が、今月から引き下げられた。セシウムは、限りなくゼロに近い方が消費者にとっては安心だが、過度の規制は、産地をさらなる苦境に追い込む。溺れるものの足を引っ張り、頭を叩くようなことになりかねない。
新基準では、これまでの年間被曝量5ミリシーベルト(msvt)を同1msvt以下に引き下げることとし、一般食品の場合、放射線量は1キログラム当たり、従来の5分の1の100ベクレルにした。検査を徹底し、基準値を超えたものについては自主的な流通制限を求める。
これは生産者にとってはかなり厳しい水準だ。国際的には、コーデックス委員会のガイドラインがある。一般食品で見ると、EUでは1250ベクレル、米国では1200ベクレルとなっている。日本の新基準は、その10分の1以下の水準である。
新基準が各国に比べ厳しいのは、汚染割合の違いによるものと説明されているが、それだけで10倍以上の開きは説明しにくい。新基準は上限を決めたもので、これを下回る水準の食品であれば、年齢や性別に関係なく、年間ではトータルでも確実に1msvtを超えないということを意味する。
年間被曝量が100msvtを超えれば、健康に何らかの障害があるとされている。それ以下については諸説あるが、はっきり影響があるというデータはない。従来の5msvtでも相当低い水準で、健康上の支障がでるとは考えにくいというのが一般的な見方だ。
政府は、従来の5msvtと今回の新基準に、どれだけの健康上の違いがあるのかは明確にしていない。しようにも信頼できるデータがないからだ。数値だけが一人歩きして、不要な混乱や不安を撒き散らしているに過ぎない。
厚労省の推計データでは、従来の規制値をそのまま継続した場合の被曝量は0,051msvtと算出されている。新基準を適用すると、それが0,043msvtとなるだけだ。新基準でもわずか0、008msvtの減少に過ぎない。これは食品の中央濃度で見たものだが、日本人は年間0、41msvtの放射性カリウムを摂取していることを考えれば、新基準にそれほど大きな意味があるとは思えない。
健康上、それほどの違いがないとすれば、産地へ与える影響の方が甚大だ。特に福島県産はますます敬遠されることになるかも知れない。コスト増も予想され、撤退や廃業する農家が続出する恐れもある。
さらに重要なのは、検査態勢だ。自治体や民間が対応を強化するだろうが、手間もカネも掛かる。検査の測定サンプルが少なくなることが予想され、漏れた高汚染の農産物が出回ることになる可能性もある。そうなれば後始末が大変で、流通の混乱を招きかねない。放射性物質の扱いについては、慎重を期すことは結構だが、過度な規制は逆効果である。
新基準では、これまでの年間被曝量5ミリシーベルト(msvt)を同1msvt以下に引き下げることとし、一般食品の場合、放射線量は1キログラム当たり、従来の5分の1の100ベクレルにした。検査を徹底し、基準値を超えたものについては自主的な流通制限を求める。
これは生産者にとってはかなり厳しい水準だ。国際的には、コーデックス委員会のガイドラインがある。一般食品で見ると、EUでは1250ベクレル、米国では1200ベクレルとなっている。日本の新基準は、その10分の1以下の水準である。
新基準が各国に比べ厳しいのは、汚染割合の違いによるものと説明されているが、それだけで10倍以上の開きは説明しにくい。新基準は上限を決めたもので、これを下回る水準の食品であれば、年齢や性別に関係なく、年間ではトータルでも確実に1msvtを超えないということを意味する。
年間被曝量が100msvtを超えれば、健康に何らかの障害があるとされている。それ以下については諸説あるが、はっきり影響があるというデータはない。従来の5msvtでも相当低い水準で、健康上の支障がでるとは考えにくいというのが一般的な見方だ。
政府は、従来の5msvtと今回の新基準に、どれだけの健康上の違いがあるのかは明確にしていない。しようにも信頼できるデータがないからだ。数値だけが一人歩きして、不要な混乱や不安を撒き散らしているに過ぎない。
厚労省の推計データでは、従来の規制値をそのまま継続した場合の被曝量は0,051msvtと算出されている。新基準を適用すると、それが0,043msvtとなるだけだ。新基準でもわずか0、008msvtの減少に過ぎない。これは食品の中央濃度で見たものだが、日本人は年間0、41msvtの放射性カリウムを摂取していることを考えれば、新基準にそれほど大きな意味があるとは思えない。
健康上、それほどの違いがないとすれば、産地へ与える影響の方が甚大だ。特に福島県産はますます敬遠されることになるかも知れない。コスト増も予想され、撤退や廃業する農家が続出する恐れもある。
さらに重要なのは、検査態勢だ。自治体や民間が対応を強化するだろうが、手間もカネも掛かる。検査の測定サンプルが少なくなることが予想され、漏れた高汚染の農産物が出回ることになる可能性もある。そうなれば後始末が大変で、流通の混乱を招きかねない。放射性物質の扱いについては、慎重を期すことは結構だが、過度な規制は逆効果である。
by everyoung
| 2012-04-02 23:23
| 言いたい放題
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