2012年 10月 10日
成果もカネ次第 |
iPS細胞研究の山中伸弥京都大学教授に対するノーベル医学・生理学賞の受賞決定は、そう驚くことではなかった。もともと受賞は、時間の問題とされていたからだ。通常、遠い昔の研究成果を評価して授与するケースが多いが、今回は現役の働き盛りが対象だ。今後の活躍にも大きな期待が寄せられている。
研究開発の分野は、一般に気の長い努力が要求される。山中氏は、「野球の打者は、3割の打率なら一流だが、研究開発は1割で大成功」と語っている。ワガハイは、成功率は1割どころか1分でぐらいではないかと推測している。それぐらい時間とカネが掛かるのだ。
運が良くて一発で当たる場合もあるかも知れないが、普通は努力のほとんどが無駄になる。野球の場合なら、1割なら即戦力外だ。1割程度の打者にカネを掛けて養うわけにいかないのだ。研究開発では、それを敢えてやるかどうかで勝負が決まる。辛抱が大事である。
ノーベル賞は、数多くある賞の中でも象徴的な意味がある。研究成果が世界から認知されたことになる。この賞をもらうかどうかで環境が大きく変わる。山中氏の場合も、受賞決定と同時に寄付がどんどん集まり、国も漸く本気で予算を付ける見通しだ。
報道によると、山中氏が所属する京都大学iPS研究所に、来年度から10年間で合わせて200億円〜300億円を文部科学省が助成することになった。別の6つのiPS研究機関にも合計150億円が提供される見込みだ。
山中氏の発見から6年余りで、iPS分野は急速に発展しているが、日本の研究態勢は十分ではなかった。ノーベル賞が弾みになって、再生医療の臨床実験や新薬開発が一気に進むことになれば喜ばしいことだ。山中氏も指摘しているように、細胞再生技術は飛躍的に発展するだろうが、倫理面や法的整備も併せて検討しなければならない。技術だけが一人歩きしても、医療改革は実現できない。
受賞がなくても、山中氏やiPS細胞は、発見以来ずっと話題になってきた。それだけ世間の関心が高かったということだ。ワガハイが注目したいのは、受賞予備軍となる科学技術集団が、他にもたくさんいることだ。実力がありながら、資金不足で十分な研究態勢が取れないで、挫折するケースもある。
研究開発費だけではない。そこで働く多くの優秀な人材にメシを食わせなければならない。相当のカネが必要だ。科学技術立国を目指すなら、捨てカネになることも覚悟して、思い切った国による資金援助が不可欠であろう。(08年10月「理系支援」、09年10月「先取り賞」、10年10月「民度三流」など参照)
研究開発の分野は、一般に気の長い努力が要求される。山中氏は、「野球の打者は、3割の打率なら一流だが、研究開発は1割で大成功」と語っている。ワガハイは、成功率は1割どころか1分でぐらいではないかと推測している。それぐらい時間とカネが掛かるのだ。
運が良くて一発で当たる場合もあるかも知れないが、普通は努力のほとんどが無駄になる。野球の場合なら、1割なら即戦力外だ。1割程度の打者にカネを掛けて養うわけにいかないのだ。研究開発では、それを敢えてやるかどうかで勝負が決まる。辛抱が大事である。
ノーベル賞は、数多くある賞の中でも象徴的な意味がある。研究成果が世界から認知されたことになる。この賞をもらうかどうかで環境が大きく変わる。山中氏の場合も、受賞決定と同時に寄付がどんどん集まり、国も漸く本気で予算を付ける見通しだ。
報道によると、山中氏が所属する京都大学iPS研究所に、来年度から10年間で合わせて200億円〜300億円を文部科学省が助成することになった。別の6つのiPS研究機関にも合計150億円が提供される見込みだ。
山中氏の発見から6年余りで、iPS分野は急速に発展しているが、日本の研究態勢は十分ではなかった。ノーベル賞が弾みになって、再生医療の臨床実験や新薬開発が一気に進むことになれば喜ばしいことだ。山中氏も指摘しているように、細胞再生技術は飛躍的に発展するだろうが、倫理面や法的整備も併せて検討しなければならない。技術だけが一人歩きしても、医療改革は実現できない。
受賞がなくても、山中氏やiPS細胞は、発見以来ずっと話題になってきた。それだけ世間の関心が高かったということだ。ワガハイが注目したいのは、受賞予備軍となる科学技術集団が、他にもたくさんいることだ。実力がありながら、資金不足で十分な研究態勢が取れないで、挫折するケースもある。
研究開発費だけではない。そこで働く多くの優秀な人材にメシを食わせなければならない。相当のカネが必要だ。科学技術立国を目指すなら、捨てカネになることも覚悟して、思い切った国による資金援助が不可欠であろう。(08年10月「理系支援」、09年10月「先取り賞」、10年10月「民度三流」など参照)
by everyoung
| 2012-10-10 20:10
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