2013年 05月 19日
山のし尿処理 |
富士山が世界遺産に登録される見通しとなっている。昔から山登りが好きだったが、なぜか若い頃には富士山には登る機会がなかった。10年ぐらい前に知人に誘われた時、「これが最後のチャンスかも」として参加した。
日本にはコニーデ型の噴火山が多い。ワガハイの故郷には「伯耆富士」「出雲富士」とも呼ばれる大山がある。大山は見る方向によって山の形が異なる珍しい山だ。南の開聞岳から北の利尻岳まで登った経験があるが、いずれも富士山型の姿形をしている。その他にも、「・・富士」と名のつく山は多い。
山には、見て美しい山や登って楽しい山がある。富士山は遠くから見るにはすばらしいが、5合目から上の山肌は溶岩だらけで、近くで見るとちっともきれいな感じはしない。富士山の登山者には、子どもや女性、外人が目立つ。天気が良ければ、登山道は朝早くから「御来光」待ちの行列となる。
ワガハイがもっとも気になるのは、これだけ多くの登山者の糞尿の始末だ。富士山に限らず、どこの山もクソだらけだ。多くの山は山頂近くまで草や木が生えている。途中でもようしても小便ぐらいは垂れる場所がある。クソはなるべく山小屋のトイレを利用するのが常識だが、待てないで木陰でする人もいる。富士山には隠れる場所もない。
登山者の少なかった頃は、山小屋のトイレにも風情があり、処理の仕方についてもそれほどうるさくはなかった。時代が進んでも、ほとんどの山小屋にはウォシュレットなどはない。だから山小屋でクソをすれば、ケツは拭かなければいけない。拭いた紙は持って帰れというところが多くなった。クソの付いた紙とマンマを、同じリュックに入れて長時間持ち歩かなければならないハメになる。
最近の山小屋には、浄化槽を設置している所もあるが、昔のまま糞尿を穴に埋めるケースも多い。クソはバクテリアが分解してやがて土になるが、紙は消えてなくなるのに時間が掛かる。山麓や中腹ならよいが、高所は温度が低く、バクテリアも存在しない。埋めても土にならないから、何らかの方法で里まで運ぶ必要がある。ヘリコプターを使っている所もある。
登山客が持ち込むペットボトルや包装紙、食べ残しなどは、持ち帰りが原則となっている。富士山は信仰の山で神聖な場所だ。かつては、クソまで持ち帰っていたという話もある。小便も、そこらでやたらにしてはいけないが、液体でありすぐに土に浸透する。臭いもクソほどではない。その成れの果を「富士山の名水」などとしてありがたがって飲んでいる人もいる。
世界遺産に登録すれば、環境の改善は進むことになろう。現在、富士山の山小屋がどんな糞尿処理をしているのかは詳しくは調べていないが、苦労していることは間違いない。登山道の下に下水道を造って、そのまま里まで流してしまうことも可能であろう。
富士山は独峰なので、通常の季節なら何泊もして登る山ではない。途中の山小屋で1泊するのが一般的だ。小便はそうはいかないが、クソなら1日ぐらい我慢できる。世界遺産登録を契機に入山料を徴収することになりそうだが、「クソをするな」という御ふれも出るかも知れない。どうしてもしたいなら山小屋のトイレを使ってもよいが、「クソも紙も持ち帰れ」ということになりかねない。山のクソ事情は、それほど深刻なのだ。
(07年8月「環境保護」、07年9月「水あそび」、08年2月「美人とウンコ」、12年1月「誰が決めた」など参照)
日本にはコニーデ型の噴火山が多い。ワガハイの故郷には「伯耆富士」「出雲富士」とも呼ばれる大山がある。大山は見る方向によって山の形が異なる珍しい山だ。南の開聞岳から北の利尻岳まで登った経験があるが、いずれも富士山型の姿形をしている。その他にも、「・・富士」と名のつく山は多い。
山には、見て美しい山や登って楽しい山がある。富士山は遠くから見るにはすばらしいが、5合目から上の山肌は溶岩だらけで、近くで見るとちっともきれいな感じはしない。富士山の登山者には、子どもや女性、外人が目立つ。天気が良ければ、登山道は朝早くから「御来光」待ちの行列となる。
ワガハイがもっとも気になるのは、これだけ多くの登山者の糞尿の始末だ。富士山に限らず、どこの山もクソだらけだ。多くの山は山頂近くまで草や木が生えている。途中でもようしても小便ぐらいは垂れる場所がある。クソはなるべく山小屋のトイレを利用するのが常識だが、待てないで木陰でする人もいる。富士山には隠れる場所もない。
登山者の少なかった頃は、山小屋のトイレにも風情があり、処理の仕方についてもそれほどうるさくはなかった。時代が進んでも、ほとんどの山小屋にはウォシュレットなどはない。だから山小屋でクソをすれば、ケツは拭かなければいけない。拭いた紙は持って帰れというところが多くなった。クソの付いた紙とマンマを、同じリュックに入れて長時間持ち歩かなければならないハメになる。
最近の山小屋には、浄化槽を設置している所もあるが、昔のまま糞尿を穴に埋めるケースも多い。クソはバクテリアが分解してやがて土になるが、紙は消えてなくなるのに時間が掛かる。山麓や中腹ならよいが、高所は温度が低く、バクテリアも存在しない。埋めても土にならないから、何らかの方法で里まで運ぶ必要がある。ヘリコプターを使っている所もある。
登山客が持ち込むペットボトルや包装紙、食べ残しなどは、持ち帰りが原則となっている。富士山は信仰の山で神聖な場所だ。かつては、クソまで持ち帰っていたという話もある。小便も、そこらでやたらにしてはいけないが、液体でありすぐに土に浸透する。臭いもクソほどではない。その成れの果を「富士山の名水」などとしてありがたがって飲んでいる人もいる。
世界遺産に登録すれば、環境の改善は進むことになろう。現在、富士山の山小屋がどんな糞尿処理をしているのかは詳しくは調べていないが、苦労していることは間違いない。登山道の下に下水道を造って、そのまま里まで流してしまうことも可能であろう。
富士山は独峰なので、通常の季節なら何泊もして登る山ではない。途中の山小屋で1泊するのが一般的だ。小便はそうはいかないが、クソなら1日ぐらい我慢できる。世界遺産登録を契機に入山料を徴収することになりそうだが、「クソをするな」という御ふれも出るかも知れない。どうしてもしたいなら山小屋のトイレを使ってもよいが、「クソも紙も持ち帰れ」ということになりかねない。山のクソ事情は、それほど深刻なのだ。
(07年8月「環境保護」、07年9月「水あそび」、08年2月「美人とウンコ」、12年1月「誰が決めた」など参照)
by everyoung
| 2013-05-19 09:05
| 言いたい放題
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