2013年 08月 23日
大したもんだが |
大リーグ・ヤンキースのイチローが日米通算4000本安打を達成。日本のメディアは、スポーツ紙だけでなく、一般紙までが連日大きく取り上げて称賛した。日本人としては、記録達成は名誉なことだが、多少のケチを付けたいのがワガハイの性分だ。
イチローは基本的に「ゴロヒッター」で、大リーグ的スラッガーではない。もちろんホームランやクリーンヒットも数多く打って来たが、内野安打が多く、全体の20%超を占めている。年によっては30%にも達したこともある。
4000本打った段階での内野安打数は832本。うち日本で208本、米国で624本打っている。イチローは、内野安打を除けば平均打率は2割5分前後の打者である。「だからなんだ」、というわけではないが、大リーグファンにとっては「凄さ」を感じさせない一面があることは否定できない。イチローが登場して、「イチロー的野球」にファンも関心を示して来ているのは事実だが、大勢ではない。
攻走守の3拍子を備えた選手はそういない。イチローの強肩や足の速さは言うまでもない。ミートが、これほど巧い選手もあまりいない。選球眼が鋭く、ワンバウンドでもヒットにする能力を持っている。半面、死球率は低く、ボールでも打って足で稼ぐのが特徴だ。
野球の塁間は27、431米、ホーム2塁間は38、795米ある。どういう経緯で決まったのかは知らないが、実に微妙な距離だ。野手がちょっと球捌きを誤れば、たちまち打者や走者が有利になる。イチローは、これを最大限に利用。数多くの内野安打や盗塁を決めて来た。盗塁数も669にも上る。
大リーグの安打記録保持者であるピート・ローズは、日本の各メディアのインタビューに応じ、イチローの記録に敬意を払う一方、「価値が違う」ことを力説した。さすがに「ゴロヒッター」などとは言わなかったが、日米の「差」には言及していた。
ローズは、イチローがもっと早く(ヤンキースなどの)強豪チームに入れば、ヒットの数も増え、選手としての価値も高まったことを指摘。マリナーズ在籍期間は無駄であったとの見解を述べていた。ワガハイはこの意見には賛同しない。
確かに、ヤンキースはトップクラスのチームだが、イチローの現在の立場は曖昧だ。力が衰えたこともあるかも知れないが、常時出場のレギュラーではない。打順も出番も変わる。出場しても、時に送りバントを命じられたり、代打や代走要員にもなる。常にチームの勝ちが優先される。ヒット数が明らかに減少、打率も上がらないのはそのためだ。
マリナーズでは、イチローは不可欠の存在であった。自己のペースで調整もでき、わがままもある程度通せた。イチローにとっては、マリナーズは居心地の良い職場だったと言える。ローズは、イチローの日本での成績について「出場機会に恵まれていた」ことを指摘したが、マリナーズ時代もその延長であった。それが記録の積み上げに繋がった。
ヤンキースでのイチロー処遇について、本人はかなり不満があるのではないかと推測される。元々「自己中」男で有名だ。ヤンキースの今の起用方法では、イチロー的リズムを持続するのは困難かも知れない。もっともイチローも、己の置かれた立ち場を理解しているだろうが、記録の伸ばすには、さらなる自己犠牲が迫られる可能性がある。
(07年4月「社会還元」、09年4月「へそ曲がり」、12年7月「いずれが得か」など参照)
イチローは基本的に「ゴロヒッター」で、大リーグ的スラッガーではない。もちろんホームランやクリーンヒットも数多く打って来たが、内野安打が多く、全体の20%超を占めている。年によっては30%にも達したこともある。
4000本打った段階での内野安打数は832本。うち日本で208本、米国で624本打っている。イチローは、内野安打を除けば平均打率は2割5分前後の打者である。「だからなんだ」、というわけではないが、大リーグファンにとっては「凄さ」を感じさせない一面があることは否定できない。イチローが登場して、「イチロー的野球」にファンも関心を示して来ているのは事実だが、大勢ではない。
攻走守の3拍子を備えた選手はそういない。イチローの強肩や足の速さは言うまでもない。ミートが、これほど巧い選手もあまりいない。選球眼が鋭く、ワンバウンドでもヒットにする能力を持っている。半面、死球率は低く、ボールでも打って足で稼ぐのが特徴だ。
野球の塁間は27、431米、ホーム2塁間は38、795米ある。どういう経緯で決まったのかは知らないが、実に微妙な距離だ。野手がちょっと球捌きを誤れば、たちまち打者や走者が有利になる。イチローは、これを最大限に利用。数多くの内野安打や盗塁を決めて来た。盗塁数も669にも上る。
大リーグの安打記録保持者であるピート・ローズは、日本の各メディアのインタビューに応じ、イチローの記録に敬意を払う一方、「価値が違う」ことを力説した。さすがに「ゴロヒッター」などとは言わなかったが、日米の「差」には言及していた。
ローズは、イチローがもっと早く(ヤンキースなどの)強豪チームに入れば、ヒットの数も増え、選手としての価値も高まったことを指摘。マリナーズ在籍期間は無駄であったとの見解を述べていた。ワガハイはこの意見には賛同しない。
確かに、ヤンキースはトップクラスのチームだが、イチローの現在の立場は曖昧だ。力が衰えたこともあるかも知れないが、常時出場のレギュラーではない。打順も出番も変わる。出場しても、時に送りバントを命じられたり、代打や代走要員にもなる。常にチームの勝ちが優先される。ヒット数が明らかに減少、打率も上がらないのはそのためだ。
マリナーズでは、イチローは不可欠の存在であった。自己のペースで調整もでき、わがままもある程度通せた。イチローにとっては、マリナーズは居心地の良い職場だったと言える。ローズは、イチローの日本での成績について「出場機会に恵まれていた」ことを指摘したが、マリナーズ時代もその延長であった。それが記録の積み上げに繋がった。
ヤンキースでのイチロー処遇について、本人はかなり不満があるのではないかと推測される。元々「自己中」男で有名だ。ヤンキースの今の起用方法では、イチロー的リズムを持続するのは困難かも知れない。もっともイチローも、己の置かれた立ち場を理解しているだろうが、記録の伸ばすには、さらなる自己犠牲が迫られる可能性がある。
(07年4月「社会還元」、09年4月「へそ曲がり」、12年7月「いずれが得か」など参照)
by everyoung
| 2013-08-23 11:52
| 言いたい放題
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Comments(1)