2014年 08月 15日
平和とは何か |
今日は終戦記念日だ。戦争に付きものは人の殺し合いだ。誰も好んで、それを是とする人はいないだろう。生命や財産、社会秩序が危険に晒されたり、国家存亡の危機に直面するなど、やむを得ない場合の選択だ。
幸いにもこれまで日本は、戦闘や紛争に巻き込まれないで済んだ。「憲法9条のお陰」とする意見があるが、「9条」を守っているだけで平和が持続できるなら幸せだ。自己規制することは悪い事ではないが、世間にはとんでもない人物や国が存在することを忘れてはならない。
「9条」的な文言を持った憲法を保持している国は、日本のほかない。「9条」がなくても、ずっと平和だった国もいっぱいある。日本は性善説を信じて、敵が攻めて来て、領土を奪われ殺されても、「9条」さえ唱えていれば幸せということだろう。
日本は戦後、本当に平和で幸せであったのか。先の大戦で、日本は310万人が死んだ。中国やソ連、ドイツに比べ、はるかに犠牲者は少ないが、相当の規模だ。広島の原爆だけで14万人が死んだ、長崎は7万5000人で、合わせて21万人強が犠牲になった。
戦後の「平和」で「幸せ」な時代でも、毎年3万人近い自殺者が出ている。累計で、すでに200万人を超え、原爆犠牲者の10倍に近い数になっている。交通事故死は年間、一時1万6000人強だったのが、今では4000人台に減少しているが、累計では60万人前後に達していると見られている。
交通事故では、2時間に一人が死んでいる勘定だ。負傷者は、死亡者の100倍近い水準に達している。航空機や船舶による犠牲者や負傷者を含めると、かなりの規模だ。危ないからという理由で、誰も乗るのを禁止しろという声は、寡聞にして知らない。
死んだ人の数で、「平和」や「幸せ」度を測るのには異論があるが、否定できない事実である。人が、一度にまとまって死ぬと、世間では大騒ぎするが、順次、犠牲者が増えて行くことには比較的鈍感だ。戦争だけでなく、無駄な死をどうやって防いでいくかに、これからも叡智を傾ける必要がある。
(08年5月「数字比較」など参照)
by everyoung
| 2014-08-15 11:39
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