2014年 11月 05日
議会対応に苦慮 |
今、日本で怖いものは地震に噴火、土石流といったところか。いずれも自然災害によるもので、人間の手では制御できない。世界では、イスラム国家にエボラウィルス、二酸化炭素の影響が恐れられている。こちらの方は、人間の知恵でなんとかなるかもしれない。
米国では、上下両院議員や州知事などを選ぶ中間選挙が実施された。まだ最終結果は出ていないが、野党の共和党が8年ぶりに上下両院で過半数を占めることが確定した。オバマ大統領の指導力が一層低下。残された任期2年ちょいは、実質「死に体」となりそうだ。
選挙の争点はいつくかあったが、その一つはオバマ政権のイスラム国家に対する弱腰外交だ。イラクからの戦力撤退が遠因となり、シリアへの対応ももたついた。結果としてイスラム国家の勢力を拡大することになった。
二つはエボラウィルスへの対策だ。オバマ政権は、医療従事者の隔離や入国制限などが後手後手となり、水際対応の甘さが指摘された。ウィルスへの有効な治療方法がないまま拡散すると、国民生活にとって致命的となる。
三つ目は、エネルギー政策だ。オバマ政権は、再生可能エネルギーに力点を置いて、化石燃料への依存を減らそうとしている。二酸化炭素放れとして悪いことではないが、共和党はシェールオイルなどを積極的に活用することを提言。それによって貿易収支や国家財政の改善を訴え、オバマ政権と対峙する姿勢を示した。
オバマ氏は、失業率を改善するなど経済を立て直し、成長軌道に乗せることに成功した。株価も市場最高値を示顕するなど、まずまずの実績を残している。それでも支持率は過去最低水準にある。
成果が、一部の富裕層にだけ恩恵を与え、幅広く浸透しなかったことによる国民の不満が背景にある。共和党は、オバマ政権の医療保険制度や移民問題などでも批判を展開。多くの反民主党票を集めたと言える。
米国では、大統領と議会は常に「敵対関係」にある。今回の選挙結果で議会の構成が変わっても、大統領は民主党であることに変わりはない。大統領はこれまで以上に議会対策で苦労することになる。「決められない政治」が続き、政治的空白が生じる可能性もある。
by everyoung
| 2014-11-05 19:24
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