2014年 11月 16日
少子化対策 |
知人のAさんの話では、子どもがやんちゃこくので、暫く放っておいて泣かせるままにしていたら、お巡りが飛んで来たのでびっくりしたとか。そう長い時間ではなかったらしいが、誰かが「一大事」と錯覚して通報したためだ。最近、幼児の虐待事件が続くので、近所での「監視態勢」が過敏に反応する所もあるようだ。
児童の虐待は、相談対応件数だけを見ても、急増傾向にある。厚労省統計では、2012年度は66、701件に上り、1998年当時に比べ10倍近くにも達している。虐待死も2011年度の数値では、58人が犠牲になっている。Aさんにとっては「余計なお世話」だったかも知れないが、社会全体が関心を持ち始めたことは評価に値する。
ちょっと田舎を一回りすればよく分かるが、山間僻地に限らず人影が少ない。たまに農作業のじいさん、ばあさんに出会う程度で、若者や子どもを見掛けるケースは、以前よりずっと少なくなったような気がする。少子化・高齢化が進んでおり、このままでは半世紀後には日本の人口は8000万人に減り、労働人口も半減する見通しだ。
政府は、少子化対策に力を入れているが、期待するほどの成果は出ていない。出生率は2013年で1、43となり、102万人が誕生した。やや上昇傾向にあるが、人口減少に歯止めが掛かるのは、当面望めないのが現状だ。女性の雇用条件の改善や子育て環境を整えることが必要だが、生まれた子どもをいかに大切に育てるかも大事だ。
親が子どもを虐待して、死に至らしめるケースなどは論外だが、事件や事故に巻き込まれて死亡する子どもも多い。親子関係が複雑で、子どもの所在不明者が141人もいるという結果も発表されている。子どもの「貧困率」は16%にも達し、6人に1人がロクに学校にも行けない状況にある。
社会環境の整備が急務であるが、個人情報の保護や人権、親権が邪魔をして、支援の手を差し伸べるにも限界がある。「生めよ増やせよ」というばかりではなく、生まれた子どもが分け隔てなく、成長できるように、政府としても法体系を含めて抜本的に考え直した方がよい。子どもは、社会全体で育てるものであることを改めて認識すべきだ。
(06年9月「親子殺人」、10年3月「社会の子」、同8月「子ども中心」など参照)
by everyoung
| 2014-11-16 11:16
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