2014年 12月 11日
ジニ係数 |
衆院選挙戦で、野党は「格差の拡大」などアベノミックスの失敗を指摘している。一般に、デフレ下では格差が縮小し、平等社会に近づくとされている。インフレ下では逆に拡大傾向を示すが、全体に底上げとなる。
所得分配の不公平さを測る指数としては「ジニ係数」が有名だ。20世紀前半にローレンツ曲線を基に、イタリア人のコッラド・ジニが考案したものだ。所得格差を0〜1まで指数化。1に近づくほど格差が拡大。0、4以上が危険値で、社会争乱を招くとされている。
中国では、腐敗や公害が多発。ジニ係数はすでに0、6を突破、今後もどんどん上昇する傾向にある。いつ暴動が起きても不思議ではない情勢だ。日本やドイツ、米国など先進工業国は0、3前後での推移となっている。
厚生労働省の調査では、2011年に日本のジニ係数は過去最大を示した。その後も増加傾向にあるが、社会保障などの再分配を考慮した場合、むしろ縮小している。所得が少ない人は増えているが、高額所得者は減っているのが現状だ。
日本は高齢者社会に入っている。高齢者の収入は少ないため、全体の所得を押し下げる要因になっている。中身をよく分析してみないと、単純に「格差の拡大」とは断定はできない。
選挙戦を通じて、安倍晋三首相や麻生太郎財務相などが「総雇用者所得」という言葉をよく使っている。雇用環境が改善し、専業主婦などが職場に復帰。非正規ながらそこそこの稼ぎができるようになった。
例えば、ダンナだけが働いて月20万円の収入だったのが、かーちゃんも働き同10万円得るようになった。一家の総収入は同20万円が30万円に膨らむが、一人当たりで見れば平均15万円となり、減ったような印象を与える。一家の稼ぎ額が、どれだけ増えたかが重要だということだ。
社員は、非正規よりは正規の方がいいに決まっているが、雇う側からすればコスト増となる。働き手も、パートなどの方が自由度が高まるメリットもある。今、大事なのは雇用機会を増やすことだ。そうすれば、いずれジニ係数の改善にも繋がることになる。
by everyoung
| 2014-12-11 19:29
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