2015年 01月 03日
恩恵は限定 |
この年末年始は、自家用車で出掛ける人も多かったではないかと推測している。ガソリン価格が大幅に下がり、コスト面で車での利用が有利となったためだ。日本石油情報センターの試算では、年度初に比べて、レギュラーでリッター当たり平均18円60銭の下落となっている。
アウトドアが趣味なので、車は4輪駆動のRVに乗っている。野山を走るには快適だ。馬力があり、駆動の掛け方では急坂でも階段でも上って行く。後ろ座席を倒せば、平坦な寝床に早変わり、どこでも寝泊まりが出来る便利な車だ。
欠点は経済性が悪いことだ。下道では、リッター当たり6キロ程度しか走らない。高速では、10キロちょいまで上がる。高速代を節約して下道を行っても、ガソリン代がバカにならない。高速代とガソリン代を合わせた額と比べてあまり変わらない。距離にもよるが、時間の無駄も考慮すれば、高速利用の方が全体として得する場合もある。
ワガハイの住む千葉県は、全国的にもガソリン価格は安い地域だ。それでもガソリン価格は、高い時でレギュラーでリッター当たり160円近くもした。今では、同130円を割り込んでいる。
ガソリン価格の低下は、先のOPEC(石油輸出国機構)総会で、減産が見送られたことが主な要因だ。シェール燃料などの開発や、国際エネルギー戦略などを巡った思惑によるものだ。
国際原油価格は、ピーク時に比べ半減している。日本では円安が進んでいるが、そのペースをかなり上回る勢いで低下している。本来なら、原油価格の下落相当分が、ガソリン価格にも反映しなければならないが、そうはなっていないのが現状だ。
理由は簡単だ。ガソリン税が定額であるためだ。原油の仕入れ価格がいくら下がっても、一定額の税金が掛かる。現在のガソリン税はリッター当たり53、8円で、このうち25、1円が暫定税率分だ。仕入れ価格の上下動に関らず、必ずこの分は取られる。
それだけではない。額は少ないが、地域温暖化対策税も加算されている。けしからんことには、これらの税全てに対しても8%の消費税が掛かることになっている。たばこや酒と並んで二重課税の最たるものだ。税務当局によると、ガソリン税は、蔵出し段階で掛かる税で、「コスト」に組み入れられているからだ。
行政サービスを受けている限り、応分の税負担をすることには異論はない。問題は、仕組みが妥当かどうかだ。かつて何度か指摘したが、ガソリン税は道路特定財源(目的税)として導入されたものだ。いつの間にかそれが廃止され、一般財源になってしまった。「暫定」であるべきはずの措置も、実質的に恒久化されている。
いくら国際原油価格が下がっても、市中のガソリン価格が税金の部分を下回ることはあり得ない。この税金は、自動車ユーザーに還元すべきものである。訳の分からない財源として消えてしまうのは、本来の趣旨に合わない。
by everyoung
| 2015-01-03 11:27
| ハラ立ち日記
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