2015年 08月 08日
健康寿命 |
厚生労働省が先に発表した昨年の平均寿命(簡易生命表)によると、男性は80、50歳、女性は86、83歳となった。男性の80歳越えは2年連続。このままでは、男女ともさらに寿命が伸び、社会保障費を圧迫しそうだ。
歴史的にみると、日本人で最も長生きしたのは、伝説を除けば南光坊天海という天台宗の坊主だと言われている。73歳の時に徳川家康仕え、1643年に死去した。生まれた時期については、1510年〜1554年と諸説ある。134歳〜90歳と開きがあるが、文献の信用度は低い。
比較的有力なのは、1536年生まれ説だ。これだと107歳まで生きたことになる。この時代としては大変な長寿だ。家康も、長生きして75歳で死んだ。病死ではなく食あたりが原因で、注意していれば、もっと長生きしたかも知れない。
平均寿命は、状況が変化しないことを前提に、年齢毎の死亡率や平均余命を算出して指標化したものだ。生まれたばかりの子どもの余命の話で、そこらの老人が「平均寿命まであと何年だ」などというのは間違いだ。
ヨタヨタになって、人様に迷惑を掛けたり、世話になってまで長生きはしたくない。ピンピンの状態で後、何年生きるかが問題だ。平均寿命よりは健康寿命の方が大事だ。後者は、「健康である期間」のことで、男性は前者より9年余、女性は12年超短くなっている。
65歳以上の老人は約3300万人いる(2014年9月時点)。75歳以上となると1500万人を超え、全人口の12%に達している。8人に1人が「後期高齢者」だ。2050年には、さらに膨れ上がり20%以上になる見通しだ。毎年1兆円もの社会保障費が増えるのも当然だ。
ワガハイは、老人医療に関し予々疑問を持っていることがある。その一つは、ほとんど国保を必要としない「元気老人」に、なぜ優遇措置を講じないかだ。自動車保険などは、事故がなければ翌年には等級が下がり、保険料は軽減される。
国保は、医者に掛かろうが掛かるまいが割引はない。逆に、医者に掛かる頻度が高く、高額の医療費の支払いについては税額の控除が認められている。「弱者救済」という観点からの政策上の配慮だが、「元気老人」の節税貢献にも報いるべきだ。
もう一点は、後期高齢者への医療費1割負担だ。ワガハイも恩恵を受けているが、家人の勧めもあって、最近は軽度の体調不良でも医者に行く機会が増えた。懐具合をあまり心配しなくても気楽に医者に行ける。そのため、医療機関には老人が殺到。いつも押すな押すなの盛況だ。待合室が老人の「サロン化」しているところもある。
何かチグハグな感じがしてならない。これでは、いくら社会保障費を増やしても切りがないのではないか。「アメとムチ」を適当に使い分け、制度にメリハリをつけることが公平性を維持する上で肝要だ。
(08年4月「ピンコロ歓迎」、12年2月「過保護老人」など参照)
by everyoung
| 2015-08-08 10:42
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