2016年 03月 03日
どの程度効くか |
国連の安全保障理事会は、北朝鮮の核実験とミサイル発射に対する新たな制裁措置について漸く合意が成立、決議を全会一致で採択した。最後までゴチャゴチャ言っていたのが中国とロシアで、合意までに1ヶ月半も掛かった。
カネとモノ、人の流れを制限すれば、北朝鮮は悲鳴を挙げるのは確実だ。問題は、関係国がどの程度真面目に制裁に対処するかだ。これまでもコトあるごとに制裁を強化してきたが、効き目はなかった。北朝鮮の主たる輸出相手は中国で、全体の90%にも達している。中国と北朝鮮は一蓮托生で、これまでも国境は抜け穴だらけであった。
今回の強化措置では、北朝鮮産鉱物などの天然資源の輸入を禁止。同国に出入りする貨物の検査や金融制裁なども改めて実施する。糧道を締め上げれば、北朝鮮の外貨の獲得に影響。結果的に、核開発やミサイル開発の資金手当ができなくなるとの皮算用だ。
これまでの制裁では、国連加盟193カ国のうち対応措置を報告していた国はわずか42カ国に過ぎなかった。中国はもちろんだが、いい加減な対応をしていたのがほとんどで、国連も何の手も打っていなかった。しり抜け同然で、北朝鮮にとっては痛くも痒くなかったはずだ。
中国も、今回はキムジョンウンになめられて、メンツを失った。加えて国際世論の高まりも意識せざるを得なくなり、条件付きながら米国案に譲歩した。ロシアも最後まで注文を付けたが、最終的に小幅手直しで歩み寄った。
米国が中国とロシアを説得できたのは、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国への配備も背景にある。北朝鮮は何をするか分からない国である。THAADは、地域の安全保障上、米国が進めている強力な抑止手段だ。
北朝鮮がTHAADの対象になることは、中国本土も射程内に入るに等しい。中国にとっては穏やかではない措置だ。ロシアとて同じで、配備には中国同様に強い懸念を表明していた。米国が暗にTHAADを交渉材料に使ったかどうかは不明だが、裏で何らかの取引があったのかも知れない。
重要な点は、中国をはじめとする関係国が本気で制裁強化できるかだ。決議には、人道目的や生計目的には除外規定が設けられている。これをいいことに、再び中国などが甘い対応をする可能性がある。国連は効果をきちっと監視する義務があろう。
カネとモノ、人の流れを制限すれば、北朝鮮は悲鳴を挙げるのは確実だ。問題は、関係国がどの程度真面目に制裁に対処するかだ。これまでもコトあるごとに制裁を強化してきたが、効き目はなかった。北朝鮮の主たる輸出相手は中国で、全体の90%にも達している。中国と北朝鮮は一蓮托生で、これまでも国境は抜け穴だらけであった。
今回の強化措置では、北朝鮮産鉱物などの天然資源の輸入を禁止。同国に出入りする貨物の検査や金融制裁なども改めて実施する。糧道を締め上げれば、北朝鮮の外貨の獲得に影響。結果的に、核開発やミサイル開発の資金手当ができなくなるとの皮算用だ。
これまでの制裁では、国連加盟193カ国のうち対応措置を報告していた国はわずか42カ国に過ぎなかった。中国はもちろんだが、いい加減な対応をしていたのがほとんどで、国連も何の手も打っていなかった。しり抜け同然で、北朝鮮にとっては痛くも痒くなかったはずだ。
中国も、今回はキムジョンウンになめられて、メンツを失った。加えて国際世論の高まりも意識せざるを得なくなり、条件付きながら米国案に譲歩した。ロシアも最後まで注文を付けたが、最終的に小幅手直しで歩み寄った。
米国が中国とロシアを説得できたのは、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国への配備も背景にある。北朝鮮は何をするか分からない国である。THAADは、地域の安全保障上、米国が進めている強力な抑止手段だ。
北朝鮮がTHAADの対象になることは、中国本土も射程内に入るに等しい。中国にとっては穏やかではない措置だ。ロシアとて同じで、配備には中国同様に強い懸念を表明していた。米国が暗にTHAADを交渉材料に使ったかどうかは不明だが、裏で何らかの取引があったのかも知れない。
重要な点は、中国をはじめとする関係国が本気で制裁強化できるかだ。決議には、人道目的や生計目的には除外規定が設けられている。これをいいことに、再び中国などが甘い対応をする可能性がある。国連は効果をきちっと監視する義務があろう。
by everyoung
| 2016-03-03 19:25
| 言いたい放題
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