2016年 09月 05日
今度はどうか |
ウラジオストックでの日露首脳会談で、プーチンロシア大統領が12月に訪日することが決まった。安倍晋三首相の地元、山口県で会談。戦後未解決の北方領土返還についての具体的道筋などを話し合う。過去においても何度も「一歩前進」と言われながら、ちっとも進展のなかった領土問題が、どこまで踏み込まれるかが焦点だ。
北方領土は、国際法上も歴史的にも日本のものであることは、今更言うまでもない。終戦直後のドサクサに紛れて、旧ソ連が侵略して穫ったものだ。ロシアも、「戦利品」であることを認めている。米国はいち早く、小笠原諸島や沖縄などを返還したが、ロシアとは平和条約も締結されないまま、今日に至っている。
ロシアを取り巻く環境は一段と厳しくなっている。身から出た錆だ。特にウクライナ問題があってからは、国際法無視が指摘され、欧米中心に経済制裁を受けている。折からの資源価格の下落と併せ、ルーブルも暴落。国際社会からは、総スカン食っている状況にある。
こうした情勢下で、ロシアにとって助け舟が期待できるのは日本しかない。北方領土はロシアにとって切れる最後のカードである。エネルギー分野などでの日本からの技術や資金は、喉から手が出るほど欲しいところだ。日本にとっても、資源調達先の多様化や市場開拓などが見込まれ、経済界も接近に積極的だ。
日本は、相手が苦しい立場にあればあるほど、有利な条件での交渉が可能となる。ロシアは、領土をコトあるごとに持ち出しながら、日本からの経済協力を引き出したい考えだ。日本側は、領土での解決が前提であることを明確に主張して、協力の先取りを許してはならない。
北方4島の即時同時返還が望ましいが、いくら経済的にヨタっているとはいえ、ロシアがそう簡単に応じるとは想像しにくい。返還にどういう条件を設定するかがカギであろう。日本側が譲歩案を示す必要はないが、ロシアの出方次第では、香港やマカオ方式も検討に値するかもしれない。
香港は、1898年から99年間英国の統治下にあった。1984年の英中共同声明で、97年に香港の主権を中国に譲渡。中国は特別行政府として「1国2制度」の導入に合意した。併せて、2047年まで社会主義政策を香港で実施しないことを約束した。マカオについても同様な対応だ。
ロシアは北方領土の主権を直ちに日本に返し、同時に何年間かに渡りロシアが4島を租借することにする。その間、日露が協力して地域を開発、経済発展を促進する。双方の事情を勘案して経過措置を講じて手を打つのが現実的だろう。
(13年5月「経済で戦え」など参照)
北方領土は、国際法上も歴史的にも日本のものであることは、今更言うまでもない。終戦直後のドサクサに紛れて、旧ソ連が侵略して穫ったものだ。ロシアも、「戦利品」であることを認めている。米国はいち早く、小笠原諸島や沖縄などを返還したが、ロシアとは平和条約も締結されないまま、今日に至っている。
ロシアを取り巻く環境は一段と厳しくなっている。身から出た錆だ。特にウクライナ問題があってからは、国際法無視が指摘され、欧米中心に経済制裁を受けている。折からの資源価格の下落と併せ、ルーブルも暴落。国際社会からは、総スカン食っている状況にある。
こうした情勢下で、ロシアにとって助け舟が期待できるのは日本しかない。北方領土はロシアにとって切れる最後のカードである。エネルギー分野などでの日本からの技術や資金は、喉から手が出るほど欲しいところだ。日本にとっても、資源調達先の多様化や市場開拓などが見込まれ、経済界も接近に積極的だ。
日本は、相手が苦しい立場にあればあるほど、有利な条件での交渉が可能となる。ロシアは、領土をコトあるごとに持ち出しながら、日本からの経済協力を引き出したい考えだ。日本側は、領土での解決が前提であることを明確に主張して、協力の先取りを許してはならない。
北方4島の即時同時返還が望ましいが、いくら経済的にヨタっているとはいえ、ロシアがそう簡単に応じるとは想像しにくい。返還にどういう条件を設定するかがカギであろう。日本側が譲歩案を示す必要はないが、ロシアの出方次第では、香港やマカオ方式も検討に値するかもしれない。
香港は、1898年から99年間英国の統治下にあった。1984年の英中共同声明で、97年に香港の主権を中国に譲渡。中国は特別行政府として「1国2制度」の導入に合意した。併せて、2047年まで社会主義政策を香港で実施しないことを約束した。マカオについても同様な対応だ。
ロシアは北方領土の主権を直ちに日本に返し、同時に何年間かに渡りロシアが4島を租借することにする。その間、日露が協力して地域を開発、経済発展を促進する。双方の事情を勘案して経過措置を講じて手を打つのが現実的だろう。
(13年5月「経済で戦え」など参照)
by everyoung
| 2016-09-05 13:48
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