2017年 04月 26日
大臣失格 |
今村雅弘復興相の不規則発言が続き、ついにクビが飛んだ。今朝、辞表を提出。ロシア訪問を間近に控えた安倍晋三首相は後任人事を急ぐ模様だ。今村氏は、形式的には「辞任」となっているが、周辺から説得され追い込まれたもので、実質的には「更迭」に等しい。
東日本大震災について、今村氏は講演で、「東北で良かった。首都圏に近ければ甚大な被害があった」と発言。直後に安倍首相が頭を下げる場面があった。大変な被害に遭っているのに「良かった」とは何ごとか、ということだ。
今月4日にも、今村氏は閣議後の記者会見で、左巻きのフリーの記者から、原発による自主避難に関し、国の責任などを執拗に問われぶっちぎれ、世間の顰蹙を買ったばかりだ。今村氏が怒った部分だけを取り上げれば、明らかに今村氏の対応はおかしいが、やり取りの全部を見れば、そう不自然ではない。本欄でもコメントすることはしなかった。
今回の発言も、内容としてはその通りだが、「良かった」が良くなかった。別の言い回しをしていれば、問題にはならなかったであろう。今村氏は、政治家であり、しかも閣僚だ。さらに担当が復興であるとの立場だ。軽卒そのものだ。
以前、ワガハイの出身地であろ鳥取県の西部地方を大地震が襲った。阪神・淡路大震災に匹敵する規模だったが、不幸中の幸いで、死者はゼロであった。山間僻地で過疎化が進み、「死ぬほどの人は住んでいなかった」「人の数よりイノシシの方が多い所だ」などと勝ってことを言った経緯がある。一市井人としての戯言なら許されるが、公人なら「ふざけるな」ということになる。
政治家を志すなら、大臣の椅子はぜひほしいところだ。当選回数が進んで来ると、後援会や周りがだんだんうるさくなる。「センセイ、次は大臣ですな」なんて迫られるケースが多くなる。今村氏は当選7回のベテランだ。能力があれば、とっくに閣僚を経験していてもおかしくはない。
小泉純一郎時代の郵政民営化で造反して、自民党を追い出された。その後「改心」し、復党。副大臣や委員長なども歴任したが、大臣への就任は初めてだ。7回生にもなって、漸く閣僚の座が巡って来ることは、出来が悪いという証左でもある。
恐らく、派閥の親分で元幹事長の二階俊博から閣僚候補の名簿が出され、順番で登用されたであろう。新閣僚には何人か、この手の「消化人事」があるのは珍しい事ではない。
偏差値の高い「あづま」大学法学部をご卒業。旧国鉄を経て政治家となった。ワガハイのかつて勤務した会社にも、多くの「あづま」出身者がいたが、他の大学出に比べ、際立って優秀だったとの印象はない。
なんとかと天才は「紙一重」というが、今村氏は「紙一重」で天才になり損なったのかも知れない。それとも、よくあることだが、大学を出るまでに一生分の能力を使い果たしてしまったとも考えられる。閣僚は順番待ちでなれるものではない。
by everyoung
| 2017-04-26 08:44
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