2017年 05月 13日
大ボラ吹き |
中国はあすから2日間、北京で「一帯一路」構想の初フォーラム(国際首脳会議)を開催する。29カ国からの首脳をはじめ130余の国から代表が集まる。日本からも二階俊博自民党幹事長らが出席。地域の発展に本当に役立つかどうか見極める。
「一帯一路」は、習近平国家主席が2013年に打ち出した巨大経済圏構想だ。現代版の「シルクロード」と呼ばれ、アジアから中東、アフリカ、欧州に至る道路、鉄道、港湾施設、パイプラインなどの物流ルートを構築することを目標にしている。
沿線国家では、すでにこれを見込んだプロジェクトが先行。中国も資金面で支援を始めている。インドネシアの高速鉄道建設に見られるように、着工から1年以上経っても、条件変更や遅れが目立つ例などが指摘されている。カネをエサに中国の口車に安易に乗った結果だ。
掛け声だけは威勢がよいが、実態は遅々として進んでいない。中国の「一帯一路」関連の対外投資は全体の数パーセントに留まり、しかも減少傾向にある。国有銀行などによる開発融資も低調で、人様にカネを貸せるほどの余裕がないのが実態だ。
中国は「一帯一路」関係で、「シルクロード基金」や「BRICS銀行」、「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)を設立している。「シルクロード基金」は、外貨準備の取り崩しや国有銀行からの出資などで、漸く400億ドルを集めたと言われてる。
AIIBに至っては、加盟数だけは多いが、払い込み出資金は資本金のわずか数パーセント。プロジェクトも単独案件はほとんどなく、アジア開発銀行(ADB)などに相乗りするのが精一杯だ。
構想が立派でもカネの出し手がなければ何もできない。AIIBは今のところ、独自に国際資本市場で資金を調達するのは困難な情勢だ。AIIB債の格付けさえできていないためで、頼るのは外貨準備の充当しかない。その外貨準備もどんどん減って来ており、振り向けるほどの余裕はない。
プロジェクトが実現すれば、人口で44億人、国内総生産(GDP)合わせれば21兆ドルにもなる規模だ。フォーラムで中国が、「一帯一路」構想をどの程度具体的に明確にするのかは不明だ。目下、プロジェクトに参加したい国だけの集まりで、肝心のカネの手当が全く見えていない。
中国の狙いとしては、「一帯一路」の実現により、過剰生産のはけ口を求め、企業の投資機会を増やして経済の発展に繋げようとの考えだが、現状では「妄想」に近い。日米をはじめ英国、ドイツ、フランスなどの主要国は首脳の参加を見送っている。今回の会議は、中国が実際に何を考えているか探る程度の意味合いしかない。
by everyoung
| 2017-05-13 19:40
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