2017年 07月 11日
時間の空費 |
たまたま午前中時間があったので、加計学園疑惑などに関する国会閉会中審査のやりとりを聞いた。新たに明らかにされた事実はなく、全くの時間の無駄となった。野党などは、安倍晋三首相の出席を求めた国会での審議を要求しているが、屋上屋を架すだけだ。止めた方がよい。
自民党は、都議選などの結果を踏まえて世論に応えて渦中の前川喜平前文部科学省次官を参考人として呼び、審査する場を設けたものだ。予想通り前川氏は、加計学園への獣医学部新設について、決定プロセスに「不公平や不透明な点があった」と主張。「行政が歪められた」などとの持論を展開した。
「総理の意向」や「官邸最高レベルの発言」などいずれの見解も、前川氏の憶測や推測に基ずく「印象」を語ったもので、それを裏付ける根拠が曖昧で、物的証拠や中立的な第三者による証言はない。菅義偉官房長官や萩生田光一官房副長官、山本幸三地方創生担当相らがこれに反論。双方、平行線を辿った。
前川氏は自己弁護に終始したが、これを否定したのは政府側だけでない。審査に出席した前愛媛県知事の加戸守行氏は、過去の経緯を詳しく説明。むしろ「歪められた行政が正された」ことを強調した。国家戦略特区諮問会議の原英史氏は、「はじめに加計学園ありき」でないことは議事録を読めば歴然であることを重ねて訴えた。
加計学園をはじめに騒ぎ立てた朝日新聞は、きょうの朝刊トップで「加計あきり 疑念消えず」と大見出しで報じた。前川氏の立場を擁護する内容で、確かに「疑念」が払拭されたわけではないが、前川氏の主張に正当性があるということではない。
疑惑が大きくなったのは、政府側にも問題がある。当初から国会で、当事者の証人喚問を実施して、徹底的に疑惑の論拠を追及しておれば、もっと早くに終結したであろう。野党側の攻撃材料としてだけでなく、3流メディアのメシのタネにされてしまってからでは遅い。
そもそも、この種のスキャンダルは、「言った、言わない」の水掛け論を展開している限り、解決には至らない。今後、明らかな証拠でも出ない限り、いずれウヤムヤになっていくであろう。
海外で仕事をする場合、相手との交渉ごとは日常茶飯事だ。話し合った内容について後でメモを作り、双方で確認しておくことが常識だ。特に外国語が絡むと、会話だけでは誤解が生じる場合もあるので、文章でもって証拠としておくことが必要だ。
あえて提案するなら、省庁間の事務レベル折衝でも、全て正確な議事録を取っておくことだ。できれば音源を残した方がよい。公式なものは記録に残し、双方が内容を確認してサインをしておくべきだ。そうでないものは、単なるやりとりの一経過としての価値に過ぎない。バカバカしいやり取りに貴重な時間を無駄にすべきではない。
by everyoung
| 2017-07-11 10:25
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