2017年 07月 26日
無意味な審査 |
野党の要求に応じて、安倍晋三首相が出席して衆参両院予算委員会の閉会中審査が2日間あったが、時間とカネの浪費に終わった。与党は、「丁寧な説明をして、理解が得られた」とし、野党は「疑惑が深まった」と述べ、事前の予想通りの結果を示した。
会社時代の先輩にKさんがいた。囲碁が好きで、日本棋院の正式免状を持っていた。習って勉強しただけあって、なかなか奇麗な碁を打つが、勝ったのをあまり見たことがない。ワガハイも何度か対局したが、負けた記憶はない。
K氏は、手筋や定石に精通していた。負けた時の言い分は、「お前は定石を知らない。定石通りに打たないからオレが負けるのだ。けしからんやつだ。もっと勉強しろ」と怒っていた。「自分流」に固執、変化ワザに対応できないタイプだ。
囲碁や将棋などの世界では、自分の都合のよいように流れを読みことを「勝手読み」という。相手は違うことを考えていても、屢々自己中心的な判断に陥る。読み筋以外の手が出ると狼狽する。世間でもよくあることだ。
いくら委員会を開いて、首相まで呼んでも、証拠や裏付けがなければ「水掛け論」に終わる。やらなくても同じことだ。2日間の審査でも、何も目新しいものは出なかった。「言った言わない」「記憶がないある」は、会議の議事録か音源がなければ証明されない。
議事録は、当事者全員が内容を確認してサインしてなければ何の価値もない。一方だけが、メモしたようなものでは、「勝手読み」があり信用できない。渦中の前川喜平前文科省事務次官の発言も、回を重ねる度に「印象」や「思い込み」による判断であることが明確になっている。
この種のメモがいくら出回っても価値はゼロだ。野党は、紙くず同然の「資料」を、「バタ屋」のように拾い集めて相手の言質を得ようとしているが、全くの徒労だ。「ないものをある」として証明しろと言っても、「ないものはない」のだ。追及したいのなら、正式な議事録か音源を探して突きつけるしかない。
もちろん、はっきりした証拠がなくても関係者の傍証で、コトの真相を解明できなくはないが、関係者の言い分が真っ向から対立しているのが現状だ。前回も指摘したが、加計問題は恐らく「お蔵入り」になるであろう。
今のところ事実関係がはっきりしているのは、国家戦略特区諮問委員会の議事録だけだ。これを見れば経緯が歴然だ。今回、小野寺五典氏の質問に、加戸守行前愛媛県知事や八田達夫特区ワーキンググループ座長が明解に答えているが、前川氏の発言よりはよほど説得力があるとの印象を受けた。
by everyoung
| 2017-07-26 09:10
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