2017年 09月 04日
内紛を狙え |
北朝鮮のキムジョウンは、愚かにも弾道ミサイルの打ち上げに続き、核実験まで断行した。トランプ米政権が、口先だけで何もできないことを見透したもので、着実に「核保有国」としての地位を固めつつある。
キムの思惑は、制裁が奏功しないうちにできることを全部やって、米国との「対等」交渉に持ち込もうというものだ。米国は、多くの犠牲を承知ですぐには北への攻撃はしないであろうとの読みだ。米国としても容易には乗らないであろう。
中国についても同様だが、独裁国家の権力者は軍が見方についていることが存続の前提だ。武器で守られてこその政権であり、見放されれば死を待つ運命にある。キム体制下で、丸腰の民衆が蜂起することは考え難い。
制裁強化で、軍に与える影響が出始めるとキム体制の危険信号が灯る。独裁下で軍がいい思いをしている限り、政権は安定だろうが、そうでなくなるといつ命を狙われるかわからない。米国にとって、さほど痛手なくしてキムを抹殺するには、制裁により軍の周辺を締め上げ、反乱分子を密かに育てることだ。
懸念されるのは、行き詰まった軍がキム体制に向けてではなく、外に暴発することだ。キム自身が自殺行為に打って出る可能性は低いが、軍は追い詰められると何をするか分からない。その辺を見極めた上で、米国は軍事作戦を企てるのではないかと推測する。
核実験は、国連決議や国際法に違反する行為だが、米国などがそれだけの理由で敵基地攻撃を仕掛けることは難しい。本来なら国連の出番だが、これまでも指摘して来たように、国連の無力は改めて言うまでもない。
米国は、これを機に北との取引のある企業に対する制裁を強化する方針だ。どこまで効果があるかは疑問だが、最大の相手国の中国にとっては痛手であろう。国連としても歩調を合わせて、中朝やロ朝の国境に監視団を送り、物流の動きをチェックするくらいのことをやらなければならない。海上においても、国連が主導して臨検を実施。糧道を断ち、封じ込めることが肝要だ。
国際紛争解決には一定のルールがあり、国連の果たす役割も明確に規定されている。イザという時に主導権が取れないなら、国連の存在意義はない。即、分担金の支払いを停止。日米で協力して新しい「第二国連」を創設することを考えるべきだ。
by everyoung
| 2017-09-04 12:32
| 言いたい放題
|
Comments(0)