2017年 12月 25日
有終の美 |
中央競馬の「有馬記念」で、期待のキタサンブラック がスタートから抜け出し、ブッチギリで優勝し、引退レースを飾った。通算20戦12勝。G1レースでは7勝をあげ、ディープインパクトと並ぶ最多となった。獲得賞金も18億7684万円に達し、中央競馬会レースとしては歴代1位を占めた。
この馬は、北海道の日高生まれで5歳の牡馬だ。初めはあまり注目されていなかったが、16年に騎手の武豊とコンビを組んでから人気が沸騰。武も、今回で有馬記念3勝目を挙げた。馬主は歌手の北島三郎。
北島も同じ北海道育ちで、中央に進出して苦労して名を成した。どこかキタサンブラックと共通するものがある。北島は50年の馬主実績を持つ。最初に馬に出会った時、「男前でボクに似ている」のが気にいったとか。
馬の資質は、基本的に血統が決める。キタサンブラックの父親はブラックタイドだが、大した実績はない。母親はシャガーハートで、一度も出馬せずに終わっている。一見、「非エリート」だが、父親の弟はディープインパクトで、やはり優秀な血筋を引いていることに間違いない。
うまいところに北島は目を付けたものだ。当初はあまり期待されていない馬だったため、相当安く手に入れたものと推定される。トントン拍子に出世して今回の地位を得たが、「種馬」としての価値も十数億円になるだろうと言われている。
人間も退け際が大事だが、馬もそうなのか。北島は年齢や健康面での問題があったが、NHK紅白を50回出場を機に勇退した。醜態をさらけ出して過去の栄光にしがみ付くスポーツ選手や芸能人が多い中、北島の決断は評価できる。キタサンブラックの今回の走りっぷりを見ていると、まだまだ活躍できるであろう。ピークで身を引くことは、未練も残るが、一つの「美学」でもあろう。
その年の世相を反映する「今年の漢字」には「北」が選ばれた。北朝鮮のミサイルや核実験、九州北部の暴雨。プロ野球の日ハムの大谷翔平や新入団の清宮幸太郎、キタサンブラックなど、何かと「北」に絡んだ話題が多かったためだ。キタサンブラックは有終の美でそれを締めたことになる。
毎年、有馬記念の馬券は買っており、過去の成績はなんとかプラスだ。今年は所用で競馬場には行けなかったが、電話投票で買った。残念ながら取れなかった。中山競馬場は思い出深い所で、学生時代から馴染みのある場所だ。年明けの金杯に賭けたい。
by everyoung
| 2017-12-25 10:21
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