2007年 01月 28日
WE論議 |
ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)という耳慣れない言葉が取り沙汰されている。ある基準以上のホワイトカラー労働者の報酬には、時間の概念を適用しない考え方だ。今通常国会への法案提出は見送られたが、いずれ議論していかなければならない課題である。
WEの是非を論じる以前に、労働市場の実態を認識しておく必要がある。労働基準法は、かつての工場労働者など単純作業を前提として決められている。単純作業は、働いた時間を基に対価を決めるのが分かり易い。生産性や作業効率、成果物の品質などについては評価しにくい面があるからだ。
この考え方は、単純労働だけでなく知能労働にも広く適用されている。特に創造力を要求されるコンピュータプログラマやデザイナなどの分野では様々な矛盾が生じている。対価を時間軸で計るのはもはや時代遅れなのである。
大手コンピュータメーカーで聞いた話。何人ものシステムエンジニアが寄ってたかって数十万ステップスの大掛かりなプログラムを作り上げた。これを見た新人社員が一人でたちどころに数万ステップスに書き換え、しかも高性能のものを開発してしまった。企業内の仕組みでは、この新人だけの給与を大幅に増額する分けにはいかない。この世界では日常茶飯事である。
ワガハイのいた会社での経験。部下にAとBがいた。Aは、与えられたテーマを時間内に要領よく仕上げ、呑みにいってしまった。Bは、一生懸命努力するがはかどらず終電まで掛かってしまった。成果物もAの方が優れていた。もちろんAは残業代ゼロ、Bは多額の残業代を受け取る。これが日常的に発生する。両者は、評価により基準給に多少の差が生じるが、社業貢献度を正当に反映したものにはほど遠い。能力差によりAはBより早く出世するが、手当の差はわずかである。出世し過ぎて管理職にでもなれば、残業代はそれほど高くない手当に置き換わり、踏んだり蹴ったりとなる。
知人に外資系投資会社に勤めているのがいる。邦銀の為替ディーラーだったが、海外勤務でキャリアアップして、今の会社に転職した。稼ぎもすごいが労働時間もむちゃくちゃだ。全世界をカバーするので寝ている暇がない。いくらITの時代でも時差だけは解決できない。これでは体力がもたない。彼は近く辞めて趣味に没頭すると言っていた。出来高払いの待遇で、人の一生分をすでに稼いでいるためだ。
企業は一般に、3割程度の社員が働けば成り立つと言われる。経営者としてはこの3割が必要で、残りは要らない。今のままでは肝心な3割が逃げてしまうことになりかねない。日本の社会風土として完全は出来高払い制度は導入できないし、馴染めない。だからといって、このままの労働環境を放置できない。「護送船団方式」では、国際的にも競争できない状況に追い込まれている。
WEの是非を論じる以前に、労働市場の実態を認識しておく必要がある。労働基準法は、かつての工場労働者など単純作業を前提として決められている。単純作業は、働いた時間を基に対価を決めるのが分かり易い。生産性や作業効率、成果物の品質などについては評価しにくい面があるからだ。
この考え方は、単純労働だけでなく知能労働にも広く適用されている。特に創造力を要求されるコンピュータプログラマやデザイナなどの分野では様々な矛盾が生じている。対価を時間軸で計るのはもはや時代遅れなのである。
大手コンピュータメーカーで聞いた話。何人ものシステムエンジニアが寄ってたかって数十万ステップスの大掛かりなプログラムを作り上げた。これを見た新人社員が一人でたちどころに数万ステップスに書き換え、しかも高性能のものを開発してしまった。企業内の仕組みでは、この新人だけの給与を大幅に増額する分けにはいかない。この世界では日常茶飯事である。
ワガハイのいた会社での経験。部下にAとBがいた。Aは、与えられたテーマを時間内に要領よく仕上げ、呑みにいってしまった。Bは、一生懸命努力するがはかどらず終電まで掛かってしまった。成果物もAの方が優れていた。もちろんAは残業代ゼロ、Bは多額の残業代を受け取る。これが日常的に発生する。両者は、評価により基準給に多少の差が生じるが、社業貢献度を正当に反映したものにはほど遠い。能力差によりAはBより早く出世するが、手当の差はわずかである。出世し過ぎて管理職にでもなれば、残業代はそれほど高くない手当に置き換わり、踏んだり蹴ったりとなる。
知人に外資系投資会社に勤めているのがいる。邦銀の為替ディーラーだったが、海外勤務でキャリアアップして、今の会社に転職した。稼ぎもすごいが労働時間もむちゃくちゃだ。全世界をカバーするので寝ている暇がない。いくらITの時代でも時差だけは解決できない。これでは体力がもたない。彼は近く辞めて趣味に没頭すると言っていた。出来高払いの待遇で、人の一生分をすでに稼いでいるためだ。
企業は一般に、3割程度の社員が働けば成り立つと言われる。経営者としてはこの3割が必要で、残りは要らない。今のままでは肝心な3割が逃げてしまうことになりかねない。日本の社会風土として完全は出来高払い制度は導入できないし、馴染めない。だからといって、このままの労働環境を放置できない。「護送船団方式」では、国際的にも競争できない状況に追い込まれている。
by everyoung
| 2007-01-28 19:46
| 言いたい放題
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