2008年 01月 03日
山岳遭難 |
北アルプスの槍平で、雪崩がテントを襲い4人が犠牲になった。同じ山登りを志すものとして人ごとではない。槍ヶ岳へのルートはいくつかある。最近は、新穂高温泉をベースに登攀するケースも多いようだ。関東に住む者にとっては裏から入る形だが、距離的には短いので便利である。
ワガハイはこの時期に登ったことはないが、温泉が魅力で、この辺りはよくうろついたことがある。槍平周辺の積雪状況がどうだったかは詳しくは分からない。小屋の近くにテントを張っていたのなら、まず「安全地帯」と判断したとしても不思議ではない。雪は怖い。思わぬところに落とし穴がある。「まさか」が悲劇に繋がった。
年末年始にかけての山での遭難は、比較的少なかったような気がする。折からの寒波襲来で大雪予想が出ていたため、入山を控えた人もいた。荒れた山に入るのは面白くない。苦労だけだ。それでも行く人がいる。日程を天候ではなく、休みの都合に合わせるからだ。
山は死ぬところではない。世界一の山岳犠牲者を出している山は、日本の谷川岳だ。ここで800人近くが死んでいる。最近でこそ岩登りをする人が減ったが、かつてはブームだった。谷川岳での犠牲者のほとんどは、岩からの滑落である。尾根筋はハイキングコースだが、南東側の沢は鋭く切れ落ち、超一級の岩場を形成している。
一の倉沢や幽の沢などに入ると、至る所に墓標がある。霊気が漂っているようで、背筋が寒くなるほどだ。同じ岩場で有名な穂高岳や劔岳とは異なる雰囲気がある。世界の山に挑戦するアルピニストは、これらの岩場で基礎訓練を重ねて羽ばたいて行く。
山登りは基本的に道楽である。これをはみ出した数少ないエキスパートが探検家とか冒険家とか言われる。いずれであっても事故に遭えば助けなければならない。今回の雪崩でも、県警のヘリや救助隊が出動した。個人の遊びの後始末に血税を使うことになるのだ。
同じ山で死ぬのなら、人知れず雪に埋もれて消えてしまう方がよい。植村直己という登山家はマッキンレイで消息を絶った。死んだのは確実だろうが、証拠は何もない。シベリアの永久凍土で、3万7000年も氷漬けになっていたマンモスの死体が無傷で出てきた。同じように、何万年か後に雪が解け、植村氏が遭難した当時のままの姿で現れてくるかもしれない。これはロマンチストの夢である。
ワガハイはこの時期に登ったことはないが、温泉が魅力で、この辺りはよくうろついたことがある。槍平周辺の積雪状況がどうだったかは詳しくは分からない。小屋の近くにテントを張っていたのなら、まず「安全地帯」と判断したとしても不思議ではない。雪は怖い。思わぬところに落とし穴がある。「まさか」が悲劇に繋がった。
年末年始にかけての山での遭難は、比較的少なかったような気がする。折からの寒波襲来で大雪予想が出ていたため、入山を控えた人もいた。荒れた山に入るのは面白くない。苦労だけだ。それでも行く人がいる。日程を天候ではなく、休みの都合に合わせるからだ。
山は死ぬところではない。世界一の山岳犠牲者を出している山は、日本の谷川岳だ。ここで800人近くが死んでいる。最近でこそ岩登りをする人が減ったが、かつてはブームだった。谷川岳での犠牲者のほとんどは、岩からの滑落である。尾根筋はハイキングコースだが、南東側の沢は鋭く切れ落ち、超一級の岩場を形成している。
一の倉沢や幽の沢などに入ると、至る所に墓標がある。霊気が漂っているようで、背筋が寒くなるほどだ。同じ岩場で有名な穂高岳や劔岳とは異なる雰囲気がある。世界の山に挑戦するアルピニストは、これらの岩場で基礎訓練を重ねて羽ばたいて行く。
山登りは基本的に道楽である。これをはみ出した数少ないエキスパートが探検家とか冒険家とか言われる。いずれであっても事故に遭えば助けなければならない。今回の雪崩でも、県警のヘリや救助隊が出動した。個人の遊びの後始末に血税を使うことになるのだ。
同じ山で死ぬのなら、人知れず雪に埋もれて消えてしまう方がよい。植村直己という登山家はマッキンレイで消息を絶った。死んだのは確実だろうが、証拠は何もない。シベリアの永久凍土で、3万7000年も氷漬けになっていたマンモスの死体が無傷で出てきた。同じように、何万年か後に雪が解け、植村氏が遭難した当時のままの姿で現れてくるかもしれない。これはロマンチストの夢である。
by everyoung
| 2008-01-03 21:50
| ハラ立ち日記
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