2009年 07月 03日
時宜を得ず |
自民党が内部紛争でゴタゴタしているうちに、民主党はマニュフェスト(選挙公約)を早々と決めた。政局が急を告げてきたことによるものだ。民主党は天下が視野に入って来ており、これまでのように耳障りのよい政策だけを並べ立てるわけにいかなくなった。内容をやや現実路線に軌道修正した。
民主党の政策の最大の弱点は、財源が曖昧なことだ。今回のマニュフェスとでは、歳出面でやや後退する一方、財源確保については一歩踏み込み、辻褄を合わせている。そうでもしなければ、政権をとっても忽ちボロが出るからだ。
マニュフェストでは、4年間を想定したシナリオを組んでいる。財源面では、国の直轄事業の半減や補助金政策の見直し、天下り改革などを中心に9兆円程度の無駄の廃止を打ち出している。他に、埋蔵金の吐き出しや、政府資産の売却などを総動員。合わせて17兆円が捻出できるとしている。
民主党の考え方で、ワガハイが最も期待しているのは、霞ヶ関をガラガラポンにすることだ。これについては以前にも触れたことがある。具体的には、徹底した公務員改革や予算の編成過程を根本的に見直すことだ。これに関しては、相当の抵抗が予想される。言うは易いが、そう簡単にできることではない。
ことしは早めに、来年度予算の概算要求基準が設定された。8月末にかけ、各省庁は要求をまとめ提出する運びだ。要求は、放っておくと無限に拡大する。基準は、要求額の頭を叩いておくために決めたものだ。一般歳出の上限は、52兆6700億円と前年度当初を9400億円上回る過去最大の規模となっている。
予算については、増加額や全体規模に注目が集まるが、重要なのは、既往の予算内容の見直しだ。役人の習性として、いったん走り出した事業は、よほどのことがない限り、中止や廃止はしない。毎年これが、ロクに議論もされず継続されていく仕組みである。ここにメスを入れないと無駄は切れない。
「無駄を排除することで財源を確保する」というのは聞こえがよい。無駄の追及は当然やるべきことだが、ワガハイは今は時宜を得ないと見ている。経済は、漸く最悪期を脱したかに見える。まだ健康体に戻るには時間が掛かる。ここで栄養補給を断ち切れば、元の病人に戻るだけだ。最優先すべきは、経済を立て直し、景気回復を図ることだ。景気が良くなれば、かなりのことは解決できるのだ。
不要不急の事業や無駄な予算を削り、重点項目に予算を配分することは、全体のパイを大きくするのではなく、「ゼロサムゲーム」に等しい。今、大事なのは、大掛かりに財政を出動させ、早く経済を軌道に乗せなければいけない。確かに、財政の大盤振る舞いの付けは、後でいずれ回って来る。それまでに景気が回復すれば、自然増収も期待でき、仮に増税を打ち出しても受け入れ易くなるのだ。
景気が悪くなって、慌ててリストラや無駄の廃止に手を付ける傾向がある。ワガハイは以前、松下電器産業(元パナソニック)の例で、好況時のリストラを評価したことがある。改革は、景気が悪い時にやるべきではない。無駄の多い「トンカチ行政」の方が、社会福祉や医療・介護などより、はるかに景気対策には効果があるのだ。民主党は、即やるべきことと、将来の課題をもっと明確にしておいた方がよい。
民主党の政策の最大の弱点は、財源が曖昧なことだ。今回のマニュフェスとでは、歳出面でやや後退する一方、財源確保については一歩踏み込み、辻褄を合わせている。そうでもしなければ、政権をとっても忽ちボロが出るからだ。
マニュフェストでは、4年間を想定したシナリオを組んでいる。財源面では、国の直轄事業の半減や補助金政策の見直し、天下り改革などを中心に9兆円程度の無駄の廃止を打ち出している。他に、埋蔵金の吐き出しや、政府資産の売却などを総動員。合わせて17兆円が捻出できるとしている。
民主党の考え方で、ワガハイが最も期待しているのは、霞ヶ関をガラガラポンにすることだ。これについては以前にも触れたことがある。具体的には、徹底した公務員改革や予算の編成過程を根本的に見直すことだ。これに関しては、相当の抵抗が予想される。言うは易いが、そう簡単にできることではない。
ことしは早めに、来年度予算の概算要求基準が設定された。8月末にかけ、各省庁は要求をまとめ提出する運びだ。要求は、放っておくと無限に拡大する。基準は、要求額の頭を叩いておくために決めたものだ。一般歳出の上限は、52兆6700億円と前年度当初を9400億円上回る過去最大の規模となっている。
予算については、増加額や全体規模に注目が集まるが、重要なのは、既往の予算内容の見直しだ。役人の習性として、いったん走り出した事業は、よほどのことがない限り、中止や廃止はしない。毎年これが、ロクに議論もされず継続されていく仕組みである。ここにメスを入れないと無駄は切れない。
「無駄を排除することで財源を確保する」というのは聞こえがよい。無駄の追及は当然やるべきことだが、ワガハイは今は時宜を得ないと見ている。経済は、漸く最悪期を脱したかに見える。まだ健康体に戻るには時間が掛かる。ここで栄養補給を断ち切れば、元の病人に戻るだけだ。最優先すべきは、経済を立て直し、景気回復を図ることだ。景気が良くなれば、かなりのことは解決できるのだ。
不要不急の事業や無駄な予算を削り、重点項目に予算を配分することは、全体のパイを大きくするのではなく、「ゼロサムゲーム」に等しい。今、大事なのは、大掛かりに財政を出動させ、早く経済を軌道に乗せなければいけない。確かに、財政の大盤振る舞いの付けは、後でいずれ回って来る。それまでに景気が回復すれば、自然増収も期待でき、仮に増税を打ち出しても受け入れ易くなるのだ。
景気が悪くなって、慌ててリストラや無駄の廃止に手を付ける傾向がある。ワガハイは以前、松下電器産業(元パナソニック)の例で、好況時のリストラを評価したことがある。改革は、景気が悪い時にやるべきではない。無駄の多い「トンカチ行政」の方が、社会福祉や医療・介護などより、はるかに景気対策には効果があるのだ。民主党は、即やるべきことと、将来の課題をもっと明確にしておいた方がよい。
by everyoung
| 2009-07-03 12:26
| 言いたい放題
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Comments(1)