2009年 09月 14日
自民の陰謀 |
今週から、鳩山由紀夫新政権が始動する予定だ。難問山積で厳しい船出となりそうだ。一番の気掛かりは予算編成だ。国家戦略局が中心になり、今年度補正予算の執行を停止、来年度概算要求も一からやり直す方針だ。とてもマニフェスト通りにコトが進むとは考えにくい。
今年度補正予算は、景気対策として組んだもので、すでにかなりの額が執行済みだ。これを取り戻すことは容易ではない。せいぜい未執行分を凍結し、来年度予算と合わせて編成するしかない。執行停止された予算は、その分景気回復の足を引っ張る要因になる。
日本経済は漸く立ち直りかけて来ている。現在走っている景気対策も、来年始めには息切れするのは確実だ。持続的回復を目指すには、切れ目のない追加の対策が必要となってくる。いったんカネが切れて失速すれば、次に回復基調を取り戻すには相当の時間が掛かる。
景気がさらに足踏みすれば、税収に影響する。民主党は無駄の廃止により財源を捻出しようとしているが、仮に予定通りカネが確保できても、トータルでの財源規模が同じなら景気浮揚効果は期待できない。財政のゼロサムゲームでは、景気に対しては中立的に作用するだけだ(7月「時宜を得ず」「集票政策」参照)。
民主党政権は、どこかの段階で財政の辻褄が合わないのに気付くはずだ。その時になって慌てて対策を組んでも遅い。鳩山氏は、消費税引き上げを否定するとともに、国債の増発もしないと明言している。新規政策のためのカネの出所は、無駄を削った分しかない。さらに景気停滞による税収減が追い打ちを掛けることになる。鳩山氏は、マニフェストが実行できなければ責任を取ると述べている。逃げ道のない状況に自らを追い込んでしまった。
注目したいのは、来年度予算の編成スケジュールだ。国家戦略局が中心となり、これから項目の洗い直しに入る。国家戦略局の顔ぶれがどうなるのか分からないが、専門家を集めても具体的行動に着手できるには、ある程度の助走期間が必要だ。概算要求をやり直し、急いで査定を開始しても年内編成は恐らく無理であろう。予算を付けるのは簡単だが、削るのは抵抗が強い。強引にやっても、後でしこりが生じて始末がつかなくなる可能性もある。
予算編成を考えると、解散・総選挙の時期は民主党にとって不運であった。麻生太郎政権はリーマンショックもあり、風向きの変わるのを待ったが叶わなかった。結局、ズルズルと引き延ばし土壇場での決断となった。麻生首相が意図したわけではなかろうが、民主党が政策を実行する上では、極めて悪いタイミングとなった。好むと好まざるに関わらず、野に下る自民党は民主党の「お手並み拝見」で、高見の見物ができる状況にある。もし、ここで民主党が転けたら、これ幸いと次の参院選で捲土重来を期すことができるのだ。
今年度補正予算は、景気対策として組んだもので、すでにかなりの額が執行済みだ。これを取り戻すことは容易ではない。せいぜい未執行分を凍結し、来年度予算と合わせて編成するしかない。執行停止された予算は、その分景気回復の足を引っ張る要因になる。
日本経済は漸く立ち直りかけて来ている。現在走っている景気対策も、来年始めには息切れするのは確実だ。持続的回復を目指すには、切れ目のない追加の対策が必要となってくる。いったんカネが切れて失速すれば、次に回復基調を取り戻すには相当の時間が掛かる。
景気がさらに足踏みすれば、税収に影響する。民主党は無駄の廃止により財源を捻出しようとしているが、仮に予定通りカネが確保できても、トータルでの財源規模が同じなら景気浮揚効果は期待できない。財政のゼロサムゲームでは、景気に対しては中立的に作用するだけだ(7月「時宜を得ず」「集票政策」参照)。
民主党政権は、どこかの段階で財政の辻褄が合わないのに気付くはずだ。その時になって慌てて対策を組んでも遅い。鳩山氏は、消費税引き上げを否定するとともに、国債の増発もしないと明言している。新規政策のためのカネの出所は、無駄を削った分しかない。さらに景気停滞による税収減が追い打ちを掛けることになる。鳩山氏は、マニフェストが実行できなければ責任を取ると述べている。逃げ道のない状況に自らを追い込んでしまった。
注目したいのは、来年度予算の編成スケジュールだ。国家戦略局が中心となり、これから項目の洗い直しに入る。国家戦略局の顔ぶれがどうなるのか分からないが、専門家を集めても具体的行動に着手できるには、ある程度の助走期間が必要だ。概算要求をやり直し、急いで査定を開始しても年内編成は恐らく無理であろう。予算を付けるのは簡単だが、削るのは抵抗が強い。強引にやっても、後でしこりが生じて始末がつかなくなる可能性もある。
予算編成を考えると、解散・総選挙の時期は民主党にとって不運であった。麻生太郎政権はリーマンショックもあり、風向きの変わるのを待ったが叶わなかった。結局、ズルズルと引き延ばし土壇場での決断となった。麻生首相が意図したわけではなかろうが、民主党が政策を実行する上では、極めて悪いタイミングとなった。好むと好まざるに関わらず、野に下る自民党は民主党の「お手並み拝見」で、高見の見物ができる状況にある。もし、ここで民主党が転けたら、これ幸いと次の参院選で捲土重来を期すことができるのだ。
by everyoung
| 2009-09-14 20:48
| 言いたい放題
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