2010年 11月 10日
三ちゃん農業 |
TPPという言葉が飛び交っている。「例外なき関税撤廃」を目指す環太平洋パートナーシップ協定のことだ。菅直人首相が突然言い出して議論になったものだが、日本の将来のためには避けて通れない関門の一つだ。政府は、「国内の環境整備を進めながら関係国と協議していく」、として参加の可否を来年6月までに決める方針だ。
ここで問題となるのが農業の扱いである。ダメージを一番受ける分野である。早速、農業団体が「はんたーい」の気勢を上げている。カネをつぎ込んだ割には一向に国際競争力がつかない。食料自給率も低迷、農村部の荒廃や老齢化にも歯止めが掛かっていないのが現状だ。
農業が専業では食えなくなったころから、「三ちゃん」農業が盛んになった。とうちゃんは町に出稼ぎ。後の農作業を、かあちゃん、ばあちゃん、じいちゃんに任せる形態のことだ。もう一つの「三ちゃん」は、てっちゃん(湊徹郎氏)、いっちゃん(中川一郎氏)、みっちゃん(渡辺美智雄氏)のことだ。この三人は、当時の自民党農林族の代表格であった。
国会議員のうち500人は、農林水産議員と言われている。農業は政治に利用され、自民党農林族を中心に、「水田」を「票田」にしてきた。農水省も、政治家のご機嫌を窺いながら補助金をバラマキ、保護政策を続けて来た。農業が、いつまで経っても独り立ちできない状況にあるのはそのためだ。
施設利用型農業については、生産性の向上はある程度進んでいる。課題は土地利用型農業をどうするかだ。かつて農政は、解決策として農地を集約して大規模化を目指した。そのための構造改善や土地改良を大掛かりに実施してきたが、効果は薄かった。
本気で国際競争力を狙うなら、農業を産業化しなければならない。日本の農地は、産業化に適した所と、山間部など条件に合わない所がある。これを線引きして分離すべきである。産業化できる所は、農地を集約して生産性を上げるとともに、付加価値の高い農産物に集中すれば勝負できる。
やっかいなのは、そうでない所だ。農地の大規模化は不可能で、農産物の生育にも適さない場所だ。後継者も老齢化しており、いずれ農地は荒廃する運命にある。ここに農業としての生き残りを求めるのは、カネの無駄である。
農業の役割は、食料を生産することだけではない。環境対策、自然保護、国土保全、生き甲斐や趣味の場としても価値がある。産業化できない所は、別の役割を担う方向を検討しなければならない。農業を国際化して競争力を付けるには、農家の一部の犠牲はやむを得ない。
産業化できる所は、法律を含めて規制を緩和するだけで放っておけばよい。カネは犠牲となる農家に振り向けるべきだ。補助金は、市町村に一括して交付。知恵を出させば、山間僻地の農地でも、有効な利用方法が見付かるであろう。所得補償を一律に実施するのは愚かなことだ。
ここで問題となるのが農業の扱いである。ダメージを一番受ける分野である。早速、農業団体が「はんたーい」の気勢を上げている。カネをつぎ込んだ割には一向に国際競争力がつかない。食料自給率も低迷、農村部の荒廃や老齢化にも歯止めが掛かっていないのが現状だ。
農業が専業では食えなくなったころから、「三ちゃん」農業が盛んになった。とうちゃんは町に出稼ぎ。後の農作業を、かあちゃん、ばあちゃん、じいちゃんに任せる形態のことだ。もう一つの「三ちゃん」は、てっちゃん(湊徹郎氏)、いっちゃん(中川一郎氏)、みっちゃん(渡辺美智雄氏)のことだ。この三人は、当時の自民党農林族の代表格であった。
国会議員のうち500人は、農林水産議員と言われている。農業は政治に利用され、自民党農林族を中心に、「水田」を「票田」にしてきた。農水省も、政治家のご機嫌を窺いながら補助金をバラマキ、保護政策を続けて来た。農業が、いつまで経っても独り立ちできない状況にあるのはそのためだ。
施設利用型農業については、生産性の向上はある程度進んでいる。課題は土地利用型農業をどうするかだ。かつて農政は、解決策として農地を集約して大規模化を目指した。そのための構造改善や土地改良を大掛かりに実施してきたが、効果は薄かった。
本気で国際競争力を狙うなら、農業を産業化しなければならない。日本の農地は、産業化に適した所と、山間部など条件に合わない所がある。これを線引きして分離すべきである。産業化できる所は、農地を集約して生産性を上げるとともに、付加価値の高い農産物に集中すれば勝負できる。
やっかいなのは、そうでない所だ。農地の大規模化は不可能で、農産物の生育にも適さない場所だ。後継者も老齢化しており、いずれ農地は荒廃する運命にある。ここに農業としての生き残りを求めるのは、カネの無駄である。
農業の役割は、食料を生産することだけではない。環境対策、自然保護、国土保全、生き甲斐や趣味の場としても価値がある。産業化できない所は、別の役割を担う方向を検討しなければならない。農業を国際化して競争力を付けるには、農家の一部の犠牲はやむを得ない。
産業化できる所は、法律を含めて規制を緩和するだけで放っておけばよい。カネは犠牲となる農家に振り向けるべきだ。補助金は、市町村に一括して交付。知恵を出させば、山間僻地の農地でも、有効な利用方法が見付かるであろう。所得補償を一律に実施するのは愚かなことだ。
by everyoung
| 2010-11-10 22:24
| 言いたい放題
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