2011年 12月 20日
嬉し涙に |
独裁者の末路は一般に哀れだが、北朝鮮の金正日総書記は病死で、後継者らしき者もいるので、本人は運が良かったのかもしれない。三代目が、そのまま独裁恐怖政治を継続できるかどうかは、軍の出方に掛かっているだろう。
独裁政治を支えるのは軍隊である。武器が背景にあるからやりたいことができるのだ。金正日のおとっつあんの金日成は、「党あっての軍」という位置づけで、何事も党を優先させた。せがれの時代になり、「先軍政治」に切り替えた。金正日は、軍の力を相当恐れていたと言えよう。
三代目の金正恩の力量は全く不明だ。金正日のせがれのうちでは多少ましだから後継者に選ばれたようだが、正確な年齢さえわからない人物だ。金正日の妻と、妹やそのダンナも、党や軍の主要ポストに就き、金正恩を盛り立てる形で「集団指導体制」で臨む構えだ(10年9月「独裁者の世襲」参照)。
いくつかの可能性が考えられる。後継者となる金正恩が、思惑通り軍を掌握できれば、今の体制がそのまま続く。金正恩が世界の潮流にいくらか敏感であれば、軟着陸の後に改革路線を打ち出すこともあり得る。改革にはゼニがいる。独力ではできない。頼みの中国は支援するだろうが、国際世論が納得しなければ無理であろう。
北朝鮮が国際舞台に登場したいなら、核やミサイル、拉致問題の前に、過去のテロ事件を謙虚に認めることだ。北朝鮮は、ラングーンの爆弾テロや大韓航空機爆破事件など全ての責任を否定し続けている。罪は罪として認めた上で、さらに核やミサイル、拉致問題に真摯に対応する姿勢を示すことだ。
軍が金正恩の言うことを聞く前提は、いい想いができるかどうかだ。北朝鮮の経済は疲弊、優遇されてる軍にさえ、ロクに物資や食料が行き渡らない状況にある。軍は一枚岩とは限らない。金正日という重しが取れたのを機に、軍内部で抗争が激化する恐れもある。
金正恩が軟着陸に失敗、軍が暴発すればコトは面倒になるが、その方が体制改革の近道だ。軍がまとまってやけくそになり、ミサイルや核を撒き散らすことはないだろう。むしろ、金正恩親衛隊と不満分子の衝突で始まる内部の権力闘争になりそうだ。
野次馬にとって、これは面白い。恐らく米国や韓国、欧州は高見の見物を決め込む。日本もそうだ。不満分子側が有利と見れば、一気に軍事クーデターを仕掛け、金体制を崩しにかかる。うまく行けば、民主化を射程に入れた革命政権を発足させることもできるからだ。
権力者の交代は、国の体制を変えるチャンスだ。ワーストシナリオは、金正恩が軟着陸し、そのままの気違い体制が続くことだ。一握りの権力者とその側近だけが潤い、多くの人民が犠牲になるだけだ。これは避けなければならない。そのためには、何かを切っ掛けにガラガラポンになることが必要だ。
独裁政治を支えるのは軍隊である。武器が背景にあるからやりたいことができるのだ。金正日のおとっつあんの金日成は、「党あっての軍」という位置づけで、何事も党を優先させた。せがれの時代になり、「先軍政治」に切り替えた。金正日は、軍の力を相当恐れていたと言えよう。
三代目の金正恩の力量は全く不明だ。金正日のせがれのうちでは多少ましだから後継者に選ばれたようだが、正確な年齢さえわからない人物だ。金正日の妻と、妹やそのダンナも、党や軍の主要ポストに就き、金正恩を盛り立てる形で「集団指導体制」で臨む構えだ(10年9月「独裁者の世襲」参照)。
いくつかの可能性が考えられる。後継者となる金正恩が、思惑通り軍を掌握できれば、今の体制がそのまま続く。金正恩が世界の潮流にいくらか敏感であれば、軟着陸の後に改革路線を打ち出すこともあり得る。改革にはゼニがいる。独力ではできない。頼みの中国は支援するだろうが、国際世論が納得しなければ無理であろう。
北朝鮮が国際舞台に登場したいなら、核やミサイル、拉致問題の前に、過去のテロ事件を謙虚に認めることだ。北朝鮮は、ラングーンの爆弾テロや大韓航空機爆破事件など全ての責任を否定し続けている。罪は罪として認めた上で、さらに核やミサイル、拉致問題に真摯に対応する姿勢を示すことだ。
軍が金正恩の言うことを聞く前提は、いい想いができるかどうかだ。北朝鮮の経済は疲弊、優遇されてる軍にさえ、ロクに物資や食料が行き渡らない状況にある。軍は一枚岩とは限らない。金正日という重しが取れたのを機に、軍内部で抗争が激化する恐れもある。
金正恩が軟着陸に失敗、軍が暴発すればコトは面倒になるが、その方が体制改革の近道だ。軍がまとまってやけくそになり、ミサイルや核を撒き散らすことはないだろう。むしろ、金正恩親衛隊と不満分子の衝突で始まる内部の権力闘争になりそうだ。
野次馬にとって、これは面白い。恐らく米国や韓国、欧州は高見の見物を決め込む。日本もそうだ。不満分子側が有利と見れば、一気に軍事クーデターを仕掛け、金体制を崩しにかかる。うまく行けば、民主化を射程に入れた革命政権を発足させることもできるからだ。
権力者の交代は、国の体制を変えるチャンスだ。ワーストシナリオは、金正恩が軟着陸し、そのままの気違い体制が続くことだ。一握りの権力者とその側近だけが潤い、多くの人民が犠牲になるだけだ。これは避けなければならない。そのためには、何かを切っ掛けにガラガラポンになることが必要だ。
by everyoung
| 2011-12-20 22:44
| 言いたい放題
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