2012年 01月 23日
心構えの違い |
東日本大震災で、宮城県石巻市の小学生の多くが犠牲になった。教職員の判断ミスが被害者の増大に繋がった。同県教育委員会は、父兄に対し調査結果を説明して謝罪した。土地や建物は、後で何とでもなるが、命を失えば返ってこない。頭を下げて済むものではない。
石巻市の大川小学校では、74人の児童と10人の教職員が死亡した。地震の後、校庭で待機していて津波に遭ったが、ほとんどが裏山に逃げることができなかった。同市では約7割が犠牲となり、被災地としては最大規模であった。後で、「ああすれば良かった」と言っても手遅れだ。普段の訓練がダメだったことになる。
これに対し、同じ宮城県の釜石市では多くが助かった。世間では「釜石の奇跡」と言われているが、たまたまの話ではない。日頃の防災訓練の違いが「イザ」という時にモノを言ったのだ。釜石では、小中学生約3000人の内、犠牲となったのは5人。率にして99、8%が生存した。
特に、市立釜石小学校では185人全員が避難して助かった。同小学校では、放課後でほとんどの生徒が帰宅。近所で遊んだり、自宅にいた。地震と同時に津波の危険を察し、高台に逃げ込んだ。子どもによっては、年寄りを助けたり、大人を説得したケースもあったとか。
両者の違いは何か。防災教育の取り組み方による。釜石での立役者は、群馬大学院の片田敏孝教授だ。この人の指導が多くの子ども達の人命を救った。「ハザードマップなど信じるな」「自分だけでも逃げろ」といった、日頃の防災教育が奏功した。
三陸沖や東海地方は地震の巣窟である。過去の事例を見ても、何度も大きな地震に見舞われている。沿岸部に無防備に住むこと自体にも問題があるが、自然災害を甘く見ていたことが、犠牲者を増やしたそもそもの原因だ。
台風などとは異なり、地震は突然やって来る。最近、予報が大分しっかりして来ているが、限界がある。それに比べ、地震の後に続く津波には時差がある。警報を聞いて安全地帯に逃げ出せば、命まで失うことはそう多くないはずだ。
今回の津波の犠牲者のほどんどは、警報を軽く見て、対応が遅れたケースが多い。コトが起きて警報を発しても、逃げ方を知っていなければ何の役にも立たない。阪神・淡路大震災の時は、瞬間的な圧死や火災による被害が甚大であった。同じ被害でも、津波とは状況が違う。
もともと危険地帯にありながら、防災対応がいい加減であったことだ。自治体の首長は、自らの責任を棚に上げ「自然災害」の所為にする傾向がある。小学生ができることに、大人が無力であったことは人災に他ならない。ワガハイは、2万人近い犠牲者が出たのは、かなりの部分は犠牲者本人の心構えと、自治体の対応に問題があったからだと考えている。
石巻市の大川小学校では、74人の児童と10人の教職員が死亡した。地震の後、校庭で待機していて津波に遭ったが、ほとんどが裏山に逃げることができなかった。同市では約7割が犠牲となり、被災地としては最大規模であった。後で、「ああすれば良かった」と言っても手遅れだ。普段の訓練がダメだったことになる。
これに対し、同じ宮城県の釜石市では多くが助かった。世間では「釜石の奇跡」と言われているが、たまたまの話ではない。日頃の防災訓練の違いが「イザ」という時にモノを言ったのだ。釜石では、小中学生約3000人の内、犠牲となったのは5人。率にして99、8%が生存した。
特に、市立釜石小学校では185人全員が避難して助かった。同小学校では、放課後でほとんどの生徒が帰宅。近所で遊んだり、自宅にいた。地震と同時に津波の危険を察し、高台に逃げ込んだ。子どもによっては、年寄りを助けたり、大人を説得したケースもあったとか。
両者の違いは何か。防災教育の取り組み方による。釜石での立役者は、群馬大学院の片田敏孝教授だ。この人の指導が多くの子ども達の人命を救った。「ハザードマップなど信じるな」「自分だけでも逃げろ」といった、日頃の防災教育が奏功した。
三陸沖や東海地方は地震の巣窟である。過去の事例を見ても、何度も大きな地震に見舞われている。沿岸部に無防備に住むこと自体にも問題があるが、自然災害を甘く見ていたことが、犠牲者を増やしたそもそもの原因だ。
台風などとは異なり、地震は突然やって来る。最近、予報が大分しっかりして来ているが、限界がある。それに比べ、地震の後に続く津波には時差がある。警報を聞いて安全地帯に逃げ出せば、命まで失うことはそう多くないはずだ。
今回の津波の犠牲者のほどんどは、警報を軽く見て、対応が遅れたケースが多い。コトが起きて警報を発しても、逃げ方を知っていなければ何の役にも立たない。阪神・淡路大震災の時は、瞬間的な圧死や火災による被害が甚大であった。同じ被害でも、津波とは状況が違う。
もともと危険地帯にありながら、防災対応がいい加減であったことだ。自治体の首長は、自らの責任を棚に上げ「自然災害」の所為にする傾向がある。小学生ができることに、大人が無力であったことは人災に他ならない。ワガハイは、2万人近い犠牲者が出たのは、かなりの部分は犠牲者本人の心構えと、自治体の対応に問題があったからだと考えている。
by everyoung
| 2012-01-23 19:09
| 言いたい放題
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