2013年 03月 16日
構造改善の機会 |
安倍晋三首相は昨日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加することを正式に表明した。すでに参加している国の同意が必要だが、順調に行けば、夏には交渉に加わることができそうだ。農業に対する打撃があるものの、関税全廃の最悪ケースでも全体としてGDP3、2兆円の押し上げ効果が期待できるとしている。
TPP交渉には、これまで11カ国が参加している。安倍首相は「今が最後のチャンス。遅れるとルール作りから取り残される」「すでに合意したルールをひっくり返すのは難しい」などと危機感を訴え、早期参加の意義を強調した。
日本は貿易立国である。食料やエネルギーの輸入依存率は極めて高い。今後、自給率を上げても限界がある。輸入をファイナンスするためには、輸出で外貨を稼がなければならない。そのためには、経済関係が緊密な国々と貿易の枠組みを決めるグループに入らざるを得ない。日本の宿命である。
貿易では、一人だけがいい思いをすることはできない。痛み分けが伴うのは不可欠だ。得意分野を武器に、相互依存を深めることが全体としての成長に繋がる。日本の場合、自動車や電機などの輸出を伸ばす半面、一次産業ではある程度の譲歩が迫られることは避けられない。
最も影響が懸念されている分野は農業だが、これまで何をやって来たか。TPPに参加しようがしまいが、高齢化、過疎化、後継者不足で衰退の一途にある。農業の産業化や、抜本的構造改善を怠ったツケが、そこら中で顕著になって来つつある。
農業団体や、一部政党が早速「反対」を唱えている。ハチマキをして座り込んで喚いても、モノごとは解決しない。「反対」するなら、農業を今後どう活性化するかを示すべきだ。安易に補助金に依存した「寄生虫稼業」が崩れつつある現状を直視することが必要だ。
交渉参加を決めるに当たり、安倍首相は何度も「国益」を重視する姿勢を示した。日本にとってマイナス面もプラス面もある。差し引きで、どれだけ得になるかで判断しなければならない。皆が小さな幸せを得て、これを積み上げたものではない。
コトあるごとにワガハイは主張して来たが、農業を十把一からげで論ずることはできない。置かれている環境や条件によって様々だからだ。元々生産性の低い所に、いくらカネをつぎ込んでも全く意味がない。「外圧」をテコに思い切った線引きを実施して、農業の生き残る道を探るべきだ。TPPは見直す良い機会を与えたと言える。(10年11月「三ちゃん農業」、11年11月「世界の潮流」、13年2月「当たり前のこと」など参照)
TPP交渉には、これまで11カ国が参加している。安倍首相は「今が最後のチャンス。遅れるとルール作りから取り残される」「すでに合意したルールをひっくり返すのは難しい」などと危機感を訴え、早期参加の意義を強調した。
日本は貿易立国である。食料やエネルギーの輸入依存率は極めて高い。今後、自給率を上げても限界がある。輸入をファイナンスするためには、輸出で外貨を稼がなければならない。そのためには、経済関係が緊密な国々と貿易の枠組みを決めるグループに入らざるを得ない。日本の宿命である。
貿易では、一人だけがいい思いをすることはできない。痛み分けが伴うのは不可欠だ。得意分野を武器に、相互依存を深めることが全体としての成長に繋がる。日本の場合、自動車や電機などの輸出を伸ばす半面、一次産業ではある程度の譲歩が迫られることは避けられない。
最も影響が懸念されている分野は農業だが、これまで何をやって来たか。TPPに参加しようがしまいが、高齢化、過疎化、後継者不足で衰退の一途にある。農業の産業化や、抜本的構造改善を怠ったツケが、そこら中で顕著になって来つつある。
農業団体や、一部政党が早速「反対」を唱えている。ハチマキをして座り込んで喚いても、モノごとは解決しない。「反対」するなら、農業を今後どう活性化するかを示すべきだ。安易に補助金に依存した「寄生虫稼業」が崩れつつある現状を直視することが必要だ。
交渉参加を決めるに当たり、安倍首相は何度も「国益」を重視する姿勢を示した。日本にとってマイナス面もプラス面もある。差し引きで、どれだけ得になるかで判断しなければならない。皆が小さな幸せを得て、これを積み上げたものではない。
コトあるごとにワガハイは主張して来たが、農業を十把一からげで論ずることはできない。置かれている環境や条件によって様々だからだ。元々生産性の低い所に、いくらカネをつぎ込んでも全く意味がない。「外圧」をテコに思い切った線引きを実施して、農業の生き残る道を探るべきだ。TPPは見直す良い機会を与えたと言える。(10年11月「三ちゃん農業」、11年11月「世界の潮流」、13年2月「当たり前のこと」など参照)
by everyoung
| 2013-03-16 18:48
| 言いたい放題
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