2014年 09月 03日
過大な課題 |
安倍晋三首相は、内閣改造と自民の役員人事を決め、発表した。若手の登用は少なく、閣僚の平均年齢も少しあがった。良く言えば、政策の継続性を維持し、重厚な布陣を敷いた。政権としては安定しているが難問山積で、この1年が勝負所となる。
党4役は全員入れ替え、幹事長に谷垣禎一法相を充てた。谷垣氏は、野党時代に総裁を務め、自民党の政権奪回に尽力した。総裁経験者が幹事長に就くのは異例だ。大物を持って来ることで、党内融和に配慮した。政調会長には、高市早苗氏に替え、稲田朋美氏を抜擢した。女性の入れ替え人事で「女性ポスト」を維持した。
新閣僚の顔ぶれを見ると、6人が留任、再入閣は4人で、8人が初入閣となった。内閣には、新たに地方創生相、安保法制相、女性活躍相、沖縄負担軽減担当相を設けた。去就の注目された石破茂幹事長は地方創生相となり、安保法制相には江渡聡得氏を防衛相兼務で起用した。
改造後の記者会見で、安倍首相は、「景気回復の風は行き渡っていない」として、引き続き「経済最優先でデフレ脱却を目指す」考えを改めて強調。その上で、改造の最大の課題は地方の創生であると述べ、国を挙げて取り組む方針を示した。
女性の活躍を推進することは、安倍政権の目玉政策の一つだ。人事では、高市氏を含め5人が入閣を決めた。このうち40代は、小渕優子氏と有村治子氏で、それぞれ経産相、女性活躍兼行革相に就いた。小渕氏は閣僚の中では最年少。
安全保障の面では、集団的自衛権に関する法案審議が、次期通常国会で予定される。江渡氏は、防衛関係に精通しているとされるが、国会答弁を無難に乗り切れるかどうかは未知数だ。沖縄負担軽減も大きな政治課題であり、菅義偉官房長官が兼務で担当する。
時の重要テーマについて、担当相を設けることは、珍しいことではない。役割や入れ物をつくっても、そう簡単に実現できるとは限らない。安倍首相は会見で、「実行実現内閣」と銘打ったが、どこまでできるかだ。新内閣の本気度が試される。
by everyoung
| 2014-09-03 21:25
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