2014年 10月 13日
人災か天災か |
季節はまだ秋で、ことしが終わったわけではないが、例年になく災害が多かったような気がする。年初来、大雪や大雨による土砂災害、竜巻や雹、噴火など、報道機関は人の不幸を伝えるのに追われている。
地球温暖化が自然災害や生態系に何らかの影響を与えていると見られるが、因果関係は今ひとつはっきりしていない。温暖化の要因は、温室効果ガスの濃度が上がっているためだ。ある研究によると、日本の年間平均気温は、この1世紀で1度上昇。降水量は5%減少している。集中豪雨で雨量が増えている印象を持つが、着実に「砂漠化」が進行しているようだ。
温室効果ガスの9割は二酸化炭素が占める。化石燃料によるものがほとんどで、日本は年間12億トン近い量を吐き出し、世界ランキングでは5位だ。中国は、日本の7倍で、米国は5倍近い水準だ。
日本の製造業は生産が減少、省エネも進んでいる。家庭部門も節電が行き届き、むしろ電力量が減る傾向にある。一方で、原発停止により火力発電依存度が高まっている。停止前後比較では、二酸化炭素の排出量は17%以上も増えているのが実態だ。
二酸化炭素は、化石燃料を燃やす時にだけ出るのではない。採掘や輸送、精製などの過程や、発電所建設に関るエネルギーや設備の維持管理でも、多くの二酸化炭素を吐き出している。
単位当たりの電力を生み出すに伴う二酸化炭素の排出量は、「ライフサイクル」で判断しなければならないという考え方がある。これで見ると、石炭、石油、LNGが桁違いにダントツだ。原子力や再生可能エネルギーは、極端に低い水準にある。前提条件にもよるが、原子力の方が太陽光より排出量は少ないとの統計もある。
二酸化炭素の制御は、世界規模で実施しなければ意味がない。放っておくと大変なことになりそうだ。温暖化の影響としては、気温や海面の上昇、風水害や熱波、エルニーニョ現象などの異常気象、農作物や健康被害などが指摘されている。天災は人災が引き起こしていることを認識すべきだ。
by everyoung
| 2014-10-13 10:12
| 言いたい放題
|
Comments(0)