2015年 05月 21日
現実的対応 |
国家の安全保障がリスクゼロで確保できるなら、これほど楽なことはない。日常生活についても同様だ。安全度を限りなく高めることは大事だが、百%の安全度が証明されなければ何もできないというのは、極めて非現実的な話だ。
ワガハイは千葉市内に住んでいる。住宅街の上空は、羽田に着陸する旅客機の飛行ルートに当たる。住民の反対で、当初計画より多少ルートが変更された。騒音がうるさいというのが主な理由で、住宅街に落ちるかもしれないという危惧はほとんで聞かない。
航空機の危険度がもっとも高い時間帯を「クリティカルイレブン」と呼んでいる。離陸後3分間と着陸態勢にある8分間のことだ。住宅街の通過は、ちょうど着陸前の8分間の領域に入る。いつ事故が発生してもおかしくない時間帯だ。
千葉には成田国際空港がある。内陸部の飛行場で、離着陸時には住宅街を飛行する。幸いなことに開港以来、旅客機が周辺で墜落した事故は発生していない。過去において、多くの旅客機が事故起こし、乗客などの生命を奪った。航空機には、極めて高い安全度が要求されているにも関らず、事故をゼロにすることは不可能だ。
2013年にボーイング787型機で、バッテリーの発火事故が相次いだ。米運輸安全委員会は、原因を調査して翌年に報告書を発表。リチウムイオン電池の製造過程に欠陥があったとしたが、熱暴走の切っ掛けとなった根本原因は特定されていない。
一時運行を停止したが、飛行に問題はないとの判断を下し、いまでも、世界の上空を飛んでいる。誰も「百%安全が確認されていないから、飛行を止めろ」とは言わない。ボ社によると、バッテリーの事故率は、1000万フライトで1回程度。ジェットエンジンよりは百倍も高い安全度だ。それでも事故は避けられない。
航空機に限らないが、新しい機種を開発したら、繰り返しのテストで性能や機能を確認。安全性が確認されてからでないと商用化されない。市場に出ても初期トラブルはつきもので、順次改修して完成度を高めていくのが普通だ。
軍用機についても同じだ。機体そのものだけでなく、軍人の訓練も伴う。当然、民間機よりは、限界的な局面での試行が実施され、それだけ事故率も高くなる傾向がある。日本の基地に配備されるオスプレイについての事故が度々伝えられるが、実施への初期段階と見るべきだ。
民間機でも軍用機でも、事故が発生したらその原因を突き止め、対策を打つのは当然だ。安全性が確認されて初めて再稼働が許される。民間機の事故は「やむを得ない」もので、軍用機は「けしからん」ということではない。
重要なのは、どこまでを「安全」とするのかだ。誰が言い出したのかは知らないが、もともと「安全神話」はあり得ない。危険度を最小限に抑えて、どう向き合うかだ。ワガハイには、沖縄普天間基地のオスプレイの危険度と、那覇空港拡張に伴う民間機のリスク増大を比べると、大差はないような気がする。
(09年1月「魔の11分」、12年9月「オスプレイの危険度」、13年8月「危険はそこら中」など参照)
by everyoung
| 2015-05-21 11:27
| 言いたい放題
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Comments(1)
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脱 国民洗脳なら副島隆彦の学問道場
at 2015-05-22 14:59
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強欲ユダヤ金融による、超高速取引がもたらす官製相場の暴落が始まるぞ! アメりカの洗脳広告代理店、電通をによる、テレビ、新聞、週刊誌、ラジオ等の、マスコミを使った偏向報道で見事な国民洗脳をされ続ける日本人、さらにネット政治言論、とりわけソーシャル・ネットワーク・サービスのツイッターやフェイスブック利用者は、自分自身の脳、すなわち思考そのものを点検せよ! 我々はハッ、と気付いて用心し、注意し、警戒すれば騙されることはない。 すべてを疑うべきなのだ!
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