2015年 09月 03日
基準を元に戻せ |
9月1日は「防災の日」で、各地で訓練行事が実施された。地域のお役目で、近くの公園などでの訓練に担ぎ出されるケースが多い。災害に備えて、いろいろな対処方法を経験しておくのはよいが、実際に発生した時に、どれほど役に立つかは怪しい。
災害による被害の程度は、発生時間などで大きく違って来る。都心では、昼間の人口は膨らんでいるが、夜中はビルも街もガラガラで閑散としている。恐らく、発生が夜中なら都心での人的被害は限定的になるだろう。もっとも地震などの災害は、都合のよい時間帯にだけ襲って来ない。
将来、都心が大震災に見舞われる可能性は大だ。その割には、東京に人を集めることに熱心だ。空から都心を眺めると、街が鉄筋のビルだらけのように見えるが、実際は、下町だけに限らず老朽化した木造建築が意外に多い。
建物が倒壊することによる犠牲者はそれほど多くはならないだろう。ワガハイが心配するのは、火災だ。耐震性に比べ、耐火性の対応はそれほど進んではいない。一たび大震災が発生すると、火の海になることは、火を見るより明らかだ。あちこちで火の手が上がり、住民は逃げ場を失う。
怖いのは、ライフラインがズタズタになることだ。停電により、エネルギー供給やほとんどの動力源が停止。水道管の破裂による地下道への浸水が発生。ガス管の切断によりガス漏れが起こり、そこら中で爆発が起こるかも知れない。ちょっとのことで引火して、地獄園になることが想定される。
都内のあちこちで再開発が進められている。古い建物を壊し、耐震性、耐火性の強い構造物に代えていくことには賛成だ。問題は、高層ビルの建設ラッシュだ。新しい建築技術が開発され、大地震でも、そう簡単に潰れるような構造にはなっていないが、収容人口が増えれば、危険度も高まるのは当然だ。
先頃、三菱地所が東京駅八重洲側の常磐橋付近に390メートルの高層ビルを建設する計画を明らかにした。3万1400平方米の敷地に、10年かけて1兆円を投じるそうだ。大阪の「あべのハルカス」を抜き、日本一の高さとなる。
現在、180メートル以上の構造物は40棟ある。一番高いのは「東京スカイツリー」(634メートル)で、次は「東京タワー」(332メートル)だ。3番目は「ミッドタウン・タワー」(248メートル)の順だ。
地所では、同ビルを国際金融センターにする予定だ。シンボルを造ることは悪い事ではないが、東京の機能だけが膨張、災害危険度が増大することになる。それを避けるには、少なくともオフィスビルには高さ制限を設けるべきだ。
建築基準として、1963年までは高さ制限があった。「百尺規制」と言われるもので、高さは31メートルに抑えられていた。その後、建築基準が緩和され「容積規制」となった。その第一号が「霞ヶ関ビル」で、高さ156メートルの36階建てだ。
「百尺規制」の時代の建物は、頭が揃っていて、それなりに美観もある。世界に比べれば、日本の高層ビルの数はそれほど多くはない。「バカと煙は高いところが好き」だと言われる。有数の自然災害国だということを認識した街造りを心掛けるべきだ。
災害による被害の程度は、発生時間などで大きく違って来る。都心では、昼間の人口は膨らんでいるが、夜中はビルも街もガラガラで閑散としている。恐らく、発生が夜中なら都心での人的被害は限定的になるだろう。もっとも地震などの災害は、都合のよい時間帯にだけ襲って来ない。
将来、都心が大震災に見舞われる可能性は大だ。その割には、東京に人を集めることに熱心だ。空から都心を眺めると、街が鉄筋のビルだらけのように見えるが、実際は、下町だけに限らず老朽化した木造建築が意外に多い。
建物が倒壊することによる犠牲者はそれほど多くはならないだろう。ワガハイが心配するのは、火災だ。耐震性に比べ、耐火性の対応はそれほど進んではいない。一たび大震災が発生すると、火の海になることは、火を見るより明らかだ。あちこちで火の手が上がり、住民は逃げ場を失う。
怖いのは、ライフラインがズタズタになることだ。停電により、エネルギー供給やほとんどの動力源が停止。水道管の破裂による地下道への浸水が発生。ガス管の切断によりガス漏れが起こり、そこら中で爆発が起こるかも知れない。ちょっとのことで引火して、地獄園になることが想定される。
都内のあちこちで再開発が進められている。古い建物を壊し、耐震性、耐火性の強い構造物に代えていくことには賛成だ。問題は、高層ビルの建設ラッシュだ。新しい建築技術が開発され、大地震でも、そう簡単に潰れるような構造にはなっていないが、収容人口が増えれば、危険度も高まるのは当然だ。
先頃、三菱地所が東京駅八重洲側の常磐橋付近に390メートルの高層ビルを建設する計画を明らかにした。3万1400平方米の敷地に、10年かけて1兆円を投じるそうだ。大阪の「あべのハルカス」を抜き、日本一の高さとなる。
現在、180メートル以上の構造物は40棟ある。一番高いのは「東京スカイツリー」(634メートル)で、次は「東京タワー」(332メートル)だ。3番目は「ミッドタウン・タワー」(248メートル)の順だ。
地所では、同ビルを国際金融センターにする予定だ。シンボルを造ることは悪い事ではないが、東京の機能だけが膨張、災害危険度が増大することになる。それを避けるには、少なくともオフィスビルには高さ制限を設けるべきだ。
建築基準として、1963年までは高さ制限があった。「百尺規制」と言われるもので、高さは31メートルに抑えられていた。その後、建築基準が緩和され「容積規制」となった。その第一号が「霞ヶ関ビル」で、高さ156メートルの36階建てだ。
「百尺規制」の時代の建物は、頭が揃っていて、それなりに美観もある。世界に比べれば、日本の高層ビルの数はそれほど多くはない。「バカと煙は高いところが好き」だと言われる。有数の自然災害国だということを認識した街造りを心掛けるべきだ。
by everyoung
| 2015-09-03 19:46
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