2016年 04月 12日
通じない理屈 |
広島で開かれていた主要7カ国(G7)外相会合で、「広島宣言」をまとめて公表した。会合には、原爆投下国のケリー米国務長官や、英仏の核保有国外相が参加した。来月の伊勢志摩サミットで、他の宣言と合わせて採択される見通しだ。
「広島宣言」は、核軍縮や核不拡散に特化した文書で、「原爆が極めて甚大な被害と非人間的な苦痛を与えた」と表現している。核保有国が一歩でも前進するのは結構なことだが、核を上回る兵器でも開発されない限りは、核廃絶は望めないだろう。
米国は依然として、広島、長崎への原爆投下を「戦争を終わらせるために不可欠であった」として、戦中の残虐行為を正当化している。ケリー長官の出席についてさえ、国内的には抵抗が強かったが、オバマ大統領も、漸く現地を訪問することを決断した模様だ。
核の話が出る度に、「非人道的」とか「非人間的」という言葉が使われる。1899年に制定された「ハーグ陸戦条約」では、毒ガスなどを利用した「不必要な苦痛を与える兵器」を禁止している。「不必要な苦痛」とはどんな苦痛なのかの定義はない。
ワガハイの認識では、原爆投下は明白に「ハーグ陸戦条約」に違反している。もっとも当時は、毒ガスなどの化学兵器が禁止対象とされていたが、原爆がこの範疇にはいるかどうかについては諸説ある。原爆は、強烈な熱線と爆発力で大量殺戮するが、放出する放射性物質に関しては当時、未知であったためだ。
「不必要な苦痛」を与えれる兵器としては、今では原水爆の他、クラスター爆弾や対人地雷などが想定されている。それ以外は「必要な苦痛」に留まるもので、「人道的」、「人間的」兵器ということになる。訳の分からない言葉遊びに過ぎない。
戦後も米国は、国際法を自国の都合の良いように解釈して「人道的」、「人間的」兵器を使って、多くの外国人を殺して来た。米国だけではないが、大国と称する国は、力関係で国際社会を支配しているのが現状だ。
「・・を終わらせるために」というのは、実に便利な言葉だ。仮にイスラム国(IS)が、ニューヨークやパリを核で攻撃すればどうなるか。あり得ない話ではない。米国流が通じるとすれば、IS側にも「空爆を終わらせるため・・」という口実が成立する。米国は反論できないであろう。自己中とはそういうものだ。
(15年5月「勝手な言い分」、同8月「国際法違反」など参照)
「広島宣言」は、核軍縮や核不拡散に特化した文書で、「原爆が極めて甚大な被害と非人間的な苦痛を与えた」と表現している。核保有国が一歩でも前進するのは結構なことだが、核を上回る兵器でも開発されない限りは、核廃絶は望めないだろう。
米国は依然として、広島、長崎への原爆投下を「戦争を終わらせるために不可欠であった」として、戦中の残虐行為を正当化している。ケリー長官の出席についてさえ、国内的には抵抗が強かったが、オバマ大統領も、漸く現地を訪問することを決断した模様だ。
核の話が出る度に、「非人道的」とか「非人間的」という言葉が使われる。1899年に制定された「ハーグ陸戦条約」では、毒ガスなどを利用した「不必要な苦痛を与える兵器」を禁止している。「不必要な苦痛」とはどんな苦痛なのかの定義はない。
ワガハイの認識では、原爆投下は明白に「ハーグ陸戦条約」に違反している。もっとも当時は、毒ガスなどの化学兵器が禁止対象とされていたが、原爆がこの範疇にはいるかどうかについては諸説ある。原爆は、強烈な熱線と爆発力で大量殺戮するが、放出する放射性物質に関しては当時、未知であったためだ。
「不必要な苦痛」を与えれる兵器としては、今では原水爆の他、クラスター爆弾や対人地雷などが想定されている。それ以外は「必要な苦痛」に留まるもので、「人道的」、「人間的」兵器ということになる。訳の分からない言葉遊びに過ぎない。
戦後も米国は、国際法を自国の都合の良いように解釈して「人道的」、「人間的」兵器を使って、多くの外国人を殺して来た。米国だけではないが、大国と称する国は、力関係で国際社会を支配しているのが現状だ。
「・・を終わらせるために」というのは、実に便利な言葉だ。仮にイスラム国(IS)が、ニューヨークやパリを核で攻撃すればどうなるか。あり得ない話ではない。米国流が通じるとすれば、IS側にも「空爆を終わらせるため・・」という口実が成立する。米国は反論できないであろう。自己中とはそういうものだ。
(15年5月「勝手な言い分」、同8月「国際法違反」など参照)
by everyoung
| 2016-04-12 20:01
| ハラ立ち日記
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