2017年 03月 06日
カラ威張り |
中国は、全国人民代表者大会を開き、李克強首相が政治活動報告をした。注目された国内総生産(GDP)については、3年連続で目標値を下げ、ことしの成長率を6、5%前後(昨年6、5〜7%)とすることにした。
習近平政権は、2020年を目途に「GDP倍増計画」を策定している。これを達成するには、年率6、5%以上の成長が不可欠だ。ことしの計画も、これを念頭に置いたもので、「エンピツなめなめ」して適当に数字合わせしたものと推定される。
目下、中国内の不動産投資は、景気下支えのための金融緩和が効き、35%増と記録的な伸びを示している。不動産への不透明な貸し出しも増え、「陰の銀行」問題が発生している。値下げに転じたら忽ち債務が急増。今でさえ、企業の債務が大幅に増大している中で、金融リスクが一段と高まることが懸念されている。
貿易面でも、輸出入とも減少傾向にある。特にトランプ米政権の誕生で、ドル高・元安が加速された他、中国製品に対する関税強化策などが検討されている。今後、中国を取り巻く環境は一段と厳しくなることが予想される。
すでに国民の可処分所得の伸びは限界に達し、昨年は6、3%と低落傾向にある。李演説で、国民が喜んだのは、携帯電話の長距離料金の見直しぐらいなもので、経済低迷の影響は、徐々に国民生活に及びつつある。
一方で、国防費は7%も増やし、初めて1兆元(16、5兆円)を突破した。米国に次ぐ、世界2番目の額だが、費目別の内容は従来通り明らかにしていない。予算には、研究開発費などが除外されており、これを含めればさらに膨らむ規模となる。
李首相は、トランプ政権の保護主義や「脱グローバリズム」の動きに対し、警告を発した。自国の政策を顧みれば、他国を批判する資格はない。李首相は、「中国は責任を担う国だ。約束したことは実行する」などと述べたが、足下をよく見てから発言しろと言いたい。
中国を考える場合の前提は、共産党1党独裁国家であるということだ。わずか数%しかいない共産党員によって、政府も軍も支配されている。党のために国民生活や人権が犠牲にされているのが現状だ。
習政権は汚職対策に取り組んでいるが、依然としてそこら中腐敗だらけだ。多民族、多宗教国家であり、価値観も多様だが、共産主義の押しつけで国民への弾圧は強まる一方だ。海洋進出など含め、多くの内憂外患を抱えている。えらそうなコトを述べ立てても、所詮は3流国でしかないことを示している。
by everyoung
| 2017-03-06 09:56
| 言いたい放題
|
Comments(0)