2017年 10月 19日
いつまで続くか |
中国の共産党大会が開幕した。習近平総書記は、30年後に建国100年を迎えるに合わせ、「社会主義現代化強国」を目指すと力説した。民主主義に対抗して、社会主義国家として君臨。「世界一」になることを考えているようだが、時代錯誤も甚だしい。
確かに、国内総生産(GDP)は80兆元(約1300兆円)に達し、世界第二位の地位を占めるに至ったが、一人当たりで見ると、稼ぎは3流国並。貧富の差はますます拡大。そこら中に社会不安が高まっている。
それだけではない。民族紛争や宗派抗争を抱え、国内の治安維持費は毎年増大。軍事費をも上回っている状況にある。共産党一党独裁による「恐怖政治」を展開。力で無理無理不満を抑え込んでいるが、いつ爆発するかわからない雰囲気だ。
中国は、経済力を背景に、アジアやアフリカなどの開発で、援助を理由に親中国を増やしている。これらの国は、とりあえずカネ欲しさで、中国寄りの姿勢を示しているが、どこかの段階で中国と摩擦が起き、「カネの切れ目は縁の切れ目」となることになりかねない。
プロジェクトの一つは、「一帯一路」(シルクロード経済圏構想)。中国からの投資を期待して、首脳会議には130カ国もの代表が集まった。「カネをもらう側」がほとんどで、具体的に何をやるのかも不明だ。
もう一つ注目されているのがAIIB(アジアインフラ投資銀行)だ。カネの調達も思うようにできず、人材もノウハウもない。今のところ、日本などが主導するADB(アジア開発銀行)やWB(世界銀行)に「おんぶに抱っこ」。協調融資にありつけるのがやっとだ。
共産党員は中国に、わずか7ー8000万人程度しかいない。人口は13億人を上回り、率では数%を占めるに過ぎない存在だ。ほんの一部の共産党特権階級が支配している歪な国家である。
共産主義はすでに過去のもので、現在では「学問的」価値しかないというのがワガハイの主張だが、国の発展過程においては、これほど便利な思想はない。強権力で何でも可能だ。インフラ整備など住民の権利など全く考える必要はない。コストも掛からず、権力者の思いのままだ。
日本のように、権力者に向かって「はんた〜い」など唱えれば、忽ち政治犯として抹殺される運命にある。よくても監獄暮らしか強制労働が待っている。最近の事例を見ても、メディアへの規制、弁護士の摘発、大学への介入、市民運動の禁止など、人権無視を取り上げたら切りがない。
運よく蓄えることができた小銭を振りかざして威張っているが、一皮剥けば内憂外患の塊だ。習の唯一の功績として腐敗の一掃が指摘されているが、まともな国では当たり前のことだ。習は「社会主義」ではなく「民主主義」を目指すことを考えるべきだ。
by everyoung
| 2017-10-19 11:59
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