2018年 01月 03日
殺生与奪権 |
「臨時ニュースを申し上げます。米軍は○日未明、北朝鮮の軍事基地や施設に対し、ステルス編隊による一斉攻撃を断行。全てを瞬時に破壊。キムジョンウンの身柄を拘束した」なんて初夢を見たかったな〜。これが正夢になるかどうかはトランプ米大統領の腹次第だ。
正月から物騒な話だが、キムは新年冒頭の辞で、「米本土は核攻撃の射程内にあり、米国は戦争を仕掛けられない。核のボタンは机の上にある」と強がりを見せた。一方、韓国に対しては、ピョンチャン冬季五輪への参加や、南北対話の可能性を示唆するなど、柔軟な姿勢を明らかにした。
キムとしては、ミサイルや核態勢はまだ十分でなく、時間稼ぎを狙ったものだ。同時に、米国不意打ちを警戒。表面的には一生懸命に脅かしを掛けているつもりであろう。米軍は、すでにいつでも先制攻撃を掛ける態勢にあるが、周辺国への被害を限りなくゼロにする方策を探っている模様だ。
米国の戦略は、これまでも述べて来たように、現時点ではすぐに軍事行動を起こす考えはない。当面は、国連決議に基づく制裁の効果を、中国を脅しながら見極めているところだ。相変わらず中国が抜け穴を容認するようでは効き目がない。
制裁によって北朝鮮が自壊すればそれに越したことはない。制裁の効き目が奏功しないと判断すれば、米軍は軍事行動を決断するであろう。その時期はそう遠くないと推測される。北の殺生与奪権はかつては中国が握っていたが、今や米国の手中にある。
この春には、恒例の米韓合同軍事演習が予定されている。キムは、演習の中止を要求しているが、今のところ韓国のムンジョイン大統領は応じない見通しだ。五輪との関係で、演習時期が延期されるかも知れないが、米国は演習を機に軍事行動に出る可能性は大だ。
制裁の効き具合を併せて、トランプ政権の判断を左右するのは、国内の政治情勢だ。経済は、株にしても失業率にしても好調に推移している。頭が痛いのは、支持率だ。政権に対しては35%と最悪。党への支持も低迷。共和党の27%に対して野党民主党は39%もの支持を得ているのが現状だ。
米国では、トランプ政権2年目を迎え、ことし11月には中間選挙が控えている。なんとしても、勢力を挽回して政権運営を安定軌道に乗せたいところだ。トランプ氏の性格からして、北への軍事行動をカードに使うことも考えられる。あと数ヶ月でその答えは出るであろう。
by everyoung
| 2018-01-03 10:00
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