2018年 04月 14日
悪い兵器 |
トランプ米大統領は、ついにシリアへのミサイル攻撃を断行した。昨年4月に続き2回目となる。前回は単独での実施だったが、今回は英国、フランスとの共同作戦となった。シリアの後ろ盾となっているロシアの反発は必至で、一波乱あるかも知れない。
シリアは、化学兵器を使用したことを否定しているが、ヘイリー米国連大使によると、シリアは東グータ地区で50回も使用。特に、女性や子どもの犠牲が顕著であった。トランプ氏は、すでに「宣戦布告」しており、攻撃は時間の問題となっていた。
前回の攻撃は、主に空軍基地を狙ったものであったが、今回は、化学兵器の研究施設や貯蔵施設への攻撃が中心となった。攻撃は1回だった模様で、シリア軍の反撃の規模や、シリア側の被害状況がどの程度であったかは、今のところ不明だ。
東グータ地区への化学兵器使用が明らかになってから、国連安保理で対応を協議したが、ロシアが調査に対し反対する拒否権を行使。調査提案は葬られてしまった。いつものことだが、国連は「イザ」という時に役に立たない組織であるということだ。
ロシアやシリアが、化学兵器を使用していないというなら、率先して調査に協力、潔白を証明すべきである。怪しげなことを隠そうとするから、結局、軍事行動に行かざるを得ない。かつて、イラクのフセイン大統領が、大量破壊兵器の査察を拒み、疑惑だけで命を失うことになった。
後で、「なかった」ことがわかっても遅い。死んでしまったらお終いで、「殺され損」となる。北朝鮮の場合も同様で、調査や査察を受け入れて、疑惑を晴らす努力を自らがしなければならない。
ワガハイが理解に苦しむのは、国際法で化学兵器や核兵器などの大量破壊兵器や非人道的兵器を用いることを禁止している点だ。大量であろうが、少量であろうが兵器に違いはない。殺される側は、化学兵器や核の使用によるものは「けしからん」のであって、通常兵器なら「仕方がない」と諦めるであろうか。
非人道的兵器があるとすれば、人道的兵器も存在することになる。人道的兵器というのは、一体どういう兵器のことか。そもそも、兵器はその種類が何であろうと、人を殺したり、モノを破壊する道具であることに変わりはない。「悪い兵器」で殺されるのは不幸で、「良い兵器」によるものなら幸せという理屈は成り立たない。
(17年4月、「無法には無法で」など参照)
by everyoung
| 2018-04-14 18:17
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