2018年 05月 09日
アイスの思い出 |
「今日は何の日」と聞かれても、特別の日でもない限りわからない。実は、今日は「アイスクリームの日」らしい。語呂合わせで決まったのではなく、1964年の東京オリンピックの頃、当時の「東京アイスクリーム協会」が消費拡大の記念行事をしたのを切っ掛けで記念日に制定したそうだ。
ワガハイはアイスが好きだ。家人にはバカにされているが、よく一人で買って食べる。運動した後などはコイツに限る。一頃、かなり暑い日が続き「アイス日和」だったが、急に冷え込んだ。冷蔵庫にはアイスが溜まっている。
小中学校の同級生にAというのがいた。Aは小学生時代、夏休みともなると自転車で集落を回り、アイスを売っていた。チリンチリンと鈴を鳴らし、アイスボックスに旗を立てていた。「キャンディ屋」と呼んでいたが、ちょうど今の「ガリガリくん」のような味で、値段も安かった。
Aが回って来ると、親父が時々買ってくれた。その度に「Aは偉いね〜」と感心していた。1本売っても手間賃はわずかだ。全部売ってもたかが知れている。3本ほど「自分用」があり、これを自分で食べないで売ると、その分は全額懐に入る。Aは暑いのに我慢して、全部売り歩いていた。小遣い稼ぎではなく、家計を助けるためだ。みんな貧乏だった。
中学を卒業すると、Aは関西方面に就職した。卒業してから、同級生みんなに毎年欠かさず年賀状をくれていた。詳しく近況は書いていないので、何をしていたのかは不明だった。ある時から、住所がビルの名前になっていた。
聞くところによると、神戸で始めた商売がうまく行き大成功。自社ビルを建てるまでに至った。もちろん、その過程で大変な苦労があったと推定される。阪神淡路大震災の際も、幸運にも被災を免れ、その後の商売も順調だった。
数年前、郷里で小学校の同期会があった。ワガハイも参加したが、Aも来ていた。久しぶりの再会である。Aは、商売を長男に譲り、現在は悠々自適の生活を送っている。趣味は射撃だそうだ。これは相当カネが掛かる。普通のサラリーマンでは手が出ない。
汗水垂らしながら、キャンデイを売り歩いていたAの姿が今でも脳裏に焼き付いている。人生どうなるか分からない。一生懸命に働けば報われることの証左であろう。それにしてもその間、ワガハイは何をしていたのであろうか。
by everyoung
| 2018-05-09 19:38
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