2018年 07月 20日
火事場泥棒 |
西日本を襲った豪雨では、予想以上の犠牲者が出た。今でも多くの行方不明者がいる。日本は「災害列島」で、沿岸部や山間部だけでなく、平地でも日頃からの備えが必要だ。地震は別だが、風水害などは突然やって来ない。命が惜しければ、警報が出たら直ちに逃げ出すことが肝心だ。
災害の度にいつも感じることがある。一つは生活関連のゴミの処理。二つは援助物質の配分。三つ目は、「火事場泥棒」だ。被災者はただでさえ大変なのに、屡々「二次災害」に見舞われる。「事後処理」についても、早急の対策が望まれる。
生活関連のゴミには色々ある。家屋の倒壊や浸水などで不要となった資材が多い。粗大ゴミどころか巨大ゴミの山だ。焼却場はフル回転でも処理しきれない。道端に山積みとなっている所がほとんどだ。公園や学校の校庭などゴミの仮置き場にも限界がある。
東日本大震災では、2000万トンものこうしたゴミが出た。一部を除いて処理に3年も掛かった。熊本地震でも300万トンが発生。2年近く掛けて漸く処分した。ゴミによる環境悪化は意外に大きく、自治体の負担もかなりのものだ。
東日本大地震の際も同じようなことがあったが、被災地には、全国から援助物資が次々に届けられる。「困った人に何か提供したい」という志は多とするが、本当に必要なものはそれほどない。大部分は、自分が使わないような半端な不用品で、ダンボール箱に入ったまま、そこらに放置されるケースが目立つ。
これらの援助物質は、受ける側も持て余し気味だ。ボランティアが手伝いながら、手分けして分類。必要な人に届けているようだが、相当な手間が掛かる作業だ。被災直後は、食料など生活必需品にもコト欠くが、最低限の確保ができるにはそれほど時間は掛からない。
確かに手数の面では、ボランティアの存在は大きいが、バラバラで勝手に動いていては、むしろ足手纏いとなることもある。寝食の手当も必要だ。指揮系統を明確にして、組織的な活動ができなければ、カラ回りする部分が多く効率が悪い。
物流面では、組織的に行動が可能な自衛隊などに任せる方がよい。普段は「戦争ごっこ」で無駄メシを食っているのだから、災害時には、即、動員命令を出し、国民の生命と財産の保全に全力を尽くすべきだ。
諸外国で災害が発生すれば、ドロボーの稼ぎ場となる。人の不幸に乗じて一儲けしようとする輩が跋扈する。今回の豪雨でも、ボランティアや救助隊を装って他人の住宅に侵入。家事道具や金品を奪うケースがあった。放置された車やバイク、自転車などを奪ったり、車上狙いや置き引きなども散見された。混乱に紛れた詐欺や勧誘なども横行したようだ。
民度の高い日本では、「火事場泥棒」は比較的少ないが、それでも犯罪は後を絶たない。相互助け合いの精神に基づく日本民族としては恥ずかしいことだ。人の命を助けることが最優先となり、ドロボー対策まで手が回らないのが実情だが、見つければ住民が寄ってたかって犯罪者をリンチするぐらいのことがあってよい。
by everyoung
| 2018-07-20 10:52
| ハラ立ち日記
|
Comments(0)