2018年 11月 29日
何かと話題に |
大相撲の九州場所では、小結の貴景勝が初優勝した。横綱3人と大関1人が不在の中でのことで、価値としては大きくないが、初日には横綱の稀勢の里を倒している。その稀勢の里は、この取り組みで膝を痛めたことが原因ともなってその後連敗。結局、休場を余儀なくされた。
日馬富士の暴力事件で、貴乃花部屋が注目され、出世頭の貴景勝の活躍にも関心が集まっていた。貴乃花親方は、ゴタゴタで相撲界を去り、貴乃花部屋も廃止。それに伴って貴景勝らは千賀の浦部屋に移った。その途端に貴景勝が優勝を果たし、千賀の浦部屋としては、「大きな手土産」を手中にした格好だ。
貴景勝の特徴は突き押しだ。相手を突き放してはいなし、捌きながら機を見て技を仕掛ける。四つに組んで相撲は取らない。体重こそは立派だが、身長が175センチそこそこで小柄だ。大きな相手と組んでは力負けするため、間合いで勝負する方法を会得したのかも知れない。
「突き」と「張り」は違う。白鵬がよく「張り差し」という手を使う。「張り」は「ビンタ」の近い。ほっぺを掌底で叩き、相手がひるんだ隙に有利な差し手に持っていく方法だ。禁じ手ではないが、横綱としては品のないやり方で、批判も多い。たまたま、初日に稀勢の里が使った。貴景勝の突き押しが勝り、これを契機に貴景勝の好調が続いたのも皮肉だ。
相撲に限らず、格闘技では引き技は不利とされている。もちろんタイミングで引いてる勝つ場合もあるが、引かないで押しまくるのが基本だ。貴景勝の動きを見ていて、昔、空手の手ほどきを受けたO師範のことを想い出した。
O氏は、学生時代に「組手」の名手と言われ、その技は空手界で恐れられていた。空手の基本は「突き」と「蹴り」だ。柔道などとは異なり、相手を掴んだり、組んだりしない。どちらかと言えば間合いで勝負する。O氏によると、本当に相手を倒すのなら、「突き」や「蹴り」よりは、体ごとぶちかまして突き飛ばす方が手っ取り早いとのこと。
そう言えば、貴景勝も幼年時代には空手をやっていた。父親が空手の有段者で、その影響を受けた。全国大会の決勝まで進んだことがあるが、「判定」で敗れた。それ以来、「判定」のない世界で活躍することを望み、相撲界に身を投じたとされている。貴景勝の身ごなしには、空手の動きがベースになっているような気がする。
家族は、芦屋の高級住宅街に住み、貴景勝もそこで生まれた。「坊ちゃん」育ちで、母親は相当な「教育ママ」だったらしい。貴景勝の顔を見ているだけでは想像できないが、母親が、どこかの女優に似ているほどの「美人」だとして話題になっている。
「美人」の誉れ高かったのは、師匠の元貴乃花親方の景子夫人だ。貴景勝の優勝と前後して、夫婦の離婚が決まったとの報道があった。優勝街道への切っ掛けをつくった稀勢の里も、横綱審議委員会から「激励」を言い渡され、次の場所には命運が掛かる。貴景勝の周辺では、しばらく話題が尽きないようだ。
by everyoung
| 2018-11-29 21:52
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