2019年 05月 18日
時流は不可避 |
人間が社会秩序を守るには、何らかのルールが必要だ。そうでなければ揉め事や争いが絶えない。憲法や法律は、それを定めているが、社会には変化や流行り廃りがある。それに合わせていくのが知恵というものだ。
報道によると、台湾では同性婚を認める法的整備が進んだとのことだ。国会に相当する立法府で特別法が可決され、通常の男女間婚姻と同様の権利が保障されることになる。世界では同性婚を認知する動きが加速しているが、台湾での法制化はアジアでは初めてとなる。
最近、日本でも同性婚を法的に認めるような動きが活発化している。先に、全国4つの地方裁判所で、13組の同性カップルが同性婚の違憲性を問う裁判を一斉に起こしている。台湾の事例が、日本でも参考になるのではないかとの意見もある。
同性カップルが勝手に「結婚」と称して同棲するのは自由だが、民法の規定で通常の婚姻扱いとならず、様々な不利益を被るのが実態だ。ルールを変えて、異性間の婚姻と同様な権利を与えろ、というのが提訴の趣旨だ。
日本では憲法24条で、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」としている。
婚姻の自由や男女間の平等は憲法でも定められているが、24条との矛盾は避けられない。「両性の合意」ということは、男女間での合意を前提としたもので、どう考えても同性での婚姻を是とする解釈には無理がある。
決め事の成立には時代背景がある。憲法でも法律でも、条文が古くなって時流に即さなくなればドンドン変えていくべきだ。全ての条文を、金科玉条のごとく守っていくのは時代錯誤も甚だしい。
同性婚に憲法24条が邪魔になるとすれば、憲法の方を改定すべきだ。民法などの法律についても同様だ。法治国家である限り、憲法や法律の下に社会生活が成り立っているのは事実だが、実態を憲法や法律に合わせるのではなく、その逆を考えるべきだ。
これまでも何度か取り上げたことだが、英国には成分憲法はない。それで何か不都合が生じたとは聞いていない。時の権力者が、都合の良いようにルールを変えるのは問題だが、日常生活に不都合があれば、それに合わせていくのが本来の法治国家の姿であろう。
by everyoung
| 2019-05-18 09:05
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