2019年 06月 26日
待ちの姿勢 |
米国のトランプ大統領は、イランによる一連の攻撃に対する報復措置として、新たに最高指導者のハメネイ師らを制裁対象とすることを決めた。同師の米国内の資産を凍結するほか、金融システムも使えないようにするものだが、どの程度の効果があるのか疑問視されている。
両国関係は、米国が一方的に核合意からの離脱を決めて以来、緊張が高まっている。米国はすでに原油の完全禁輸や金融制裁を実施。イラン側も対抗するなど、このところ一触即発の状況にある。
先の米軍の無人探査機の撃墜事件の後、トランプ大統領は軍事攻撃を検討。実行直前に撤回したと伝えられたが、どこまでが本当なのかはわからない。「脅し」を掛けるポーズを示しただけかもしれない。
ホルムズ海峡でのタンカー攻撃についてもそうだが、双方の言い分にも食い違いがあり、真相は不明のままだ。米側は、軍事行動は「常にテーブルの上にある」としているが、イラン側も強硬姿勢を崩していない。
トランプ大統領としては、硬軟両にらみの構えで、対話の道も閉ざしてはいない。これに対しイランは、制裁を掛けたままでの対話には応じられないとしている。双方の折り合いがつかない場合、来月にはイランは無制限なウラン濃縮に踏み切る意向だ。
イランは、核態勢を整えても、核攻撃まですることは考えられない。米国も軍を近海に展開するものの、実際に戦闘行為に出ることはないであろう。北朝鮮に対する対応と同じだ。
思いつきで訳のわからない政策を、突如打ち出すのがトランプの特徴だ。一つだけ言えるのは、軍事行動ではなく経済制裁による締め付けの方が、犠牲も少なく効果があることを悟っていることだ。
時間は掛かるが、経済制裁を継続的に実施すれば、「敵」はいずれ折れてくるであろうと読んでいるフシがある。大統領選を控え、トランプとて安易な行動には出られない状況もある。「仲介役」を買って出た安倍晋三首相の顔にドロを塗るようなことは、双方とも避けて欲しい。
by everyoung
| 2019-06-26 21:01
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