2007年 06月 10日
抵当証券 |
「ハイリスク・ハイリターン」の金融商品はいくつかある。思惑が当たれば大儲けできる。半面、外れれば大損する仕組みである。うまくいって大金が転がり込んだ場合は、「黙り」を決め込む。損した場合は、大騒ぎして社会問題化する傾向がある。
リスクの高い抵当証券をインチキ販売し、巨額の損害を与えた「大和都市管財訴訟」で、大阪地裁は国に対する賠償を認める判決を下した。同種の事件で想い出されるのは「豊田商事事件」だ。この時は国の賠償は否定された経緯がある。国が控訴するかどうかわからないが、極めて異例の判断である。
欲の皮が突っ張って詐欺に引っ掛かっても、本来は国がいちいち賠償する必要はない。詐欺事件はそこら中にあり、国とは関係のないものがほとんどだ。今回、問題となったのは「お上のお墨付き」があったからだ。
「大和都市管財」は、経営が実質的に破綻状況にあるにも関わらず抵当証券を売りまくり、巨額の金を集めた。同社の社長は詐欺罪ですでに刑が確定している。被害者が問題視したのは、大蔵省当時の近畿財務局の対応だ。職務怠慢により、損害を被ったというわけだ。
抵当証券を販売する会社は登録が必要である。近畿財務局は、「大和都市管財」の経営不安を承知していながら、業務改善命令を撤回して登録の更新を認めてしまった。背景には、何らかの「脅し」があったとの疑惑もある。
「お上の判断を信じて購入したので、国が責任を持て」というのが被害者の言い分である。地裁判断は、もちろん満額ではなく被害者の過失責任にも言及、痛み分けの格好となった。法治国家であり、最終的には司法の判断に従わざるを得ないが、納得のいかない面もある。
国が賠償することは、納税者が金を出すことである。今回の訴訟は近畿財務局の判断ミスによるものである。司法の判断は「職務上の義務違反にはならないが、合理性を欠く」としている。ならば、誤った判断をした当事者は、賠償金について応分の負担をすべきである。
近畿財務局長はエリートコースである。少なくとも当時は、大蔵省事務次官候補の「指定席」であった。このポストに就任することは、将来が約束されたようなものだ。だから、任期中には問題が起こってはいけないのだ。臭いものには蓋をして、なあなあで済ます体質が見え隠れする。高級官僚を擁護するために税金を払ってはいないのだ。
リスクの高い抵当証券をインチキ販売し、巨額の損害を与えた「大和都市管財訴訟」で、大阪地裁は国に対する賠償を認める判決を下した。同種の事件で想い出されるのは「豊田商事事件」だ。この時は国の賠償は否定された経緯がある。国が控訴するかどうかわからないが、極めて異例の判断である。
欲の皮が突っ張って詐欺に引っ掛かっても、本来は国がいちいち賠償する必要はない。詐欺事件はそこら中にあり、国とは関係のないものがほとんどだ。今回、問題となったのは「お上のお墨付き」があったからだ。
「大和都市管財」は、経営が実質的に破綻状況にあるにも関わらず抵当証券を売りまくり、巨額の金を集めた。同社の社長は詐欺罪ですでに刑が確定している。被害者が問題視したのは、大蔵省当時の近畿財務局の対応だ。職務怠慢により、損害を被ったというわけだ。
抵当証券を販売する会社は登録が必要である。近畿財務局は、「大和都市管財」の経営不安を承知していながら、業務改善命令を撤回して登録の更新を認めてしまった。背景には、何らかの「脅し」があったとの疑惑もある。
「お上の判断を信じて購入したので、国が責任を持て」というのが被害者の言い分である。地裁判断は、もちろん満額ではなく被害者の過失責任にも言及、痛み分けの格好となった。法治国家であり、最終的には司法の判断に従わざるを得ないが、納得のいかない面もある。
国が賠償することは、納税者が金を出すことである。今回の訴訟は近畿財務局の判断ミスによるものである。司法の判断は「職務上の義務違反にはならないが、合理性を欠く」としている。ならば、誤った判断をした当事者は、賠償金について応分の負担をすべきである。
近畿財務局長はエリートコースである。少なくとも当時は、大蔵省事務次官候補の「指定席」であった。このポストに就任することは、将来が約束されたようなものだ。だから、任期中には問題が起こってはいけないのだ。臭いものには蓋をして、なあなあで済ます体質が見え隠れする。高級官僚を擁護するために税金を払ってはいないのだ。
by everyoung
| 2007-06-10 22:51
| ハラ立ち日記
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