2007年 12月 26日
福地体制 |
すったもんだの末、次期NHK会長にアサヒビール相談役・福地茂雄氏が決まった。現執行部からは登用しないとの基本方針で人選を進めたが、経営委員会の意見が分かれ、全会一致ではなく採決で決める異例の事態になった。
歴代会長には、朝日新聞社OBや財界、官界からの起用が目立ったが、ここ4代はNHK内部出身者が占めた。改革を進める上では内部からの登用には限界がある。広く外部から人材を探す必要があった。福地氏の手腕は未知数だが、荷が重すぎるような気がする。
今回の人選でいくつか指摘したい点がある。経営委の古森重隆委員長は、富士フィルムホールディングの社長であり、福地氏と同様に財界人であることだ。これまでに財界人コンビが委員長、会長に座った例として1988年の磯田一郎氏(住友銀行会長)と池田芳蔵氏(三井物産相談役)のケースがある。報道機関のトップとして、このコンビは機能せず失敗に終わった。この轍を踏むことにならないか。
古森氏は、最終的に自分の交友関係から同じ長崎出身の福地氏を推挙したが、財界以外に選択範囲をもっと広げるべきであった。個人的な関係を重視した感が否めない。NHK会長職は激務であり、73歳の老人が就くポストではない。もっと若返る必要があった。NHKは民放とは異なり、公共性や中立性、独立性が一層要求される。特定企業色のあるトップは相応しくない。
さらに重要な点は、福地氏が放送界やジャーナリズムとは無縁の世界にいたことだ。いきなり畑違いの場でどこまで改革が進められるかだ。報道機関の特殊性を知るだけで、任期が終わってしまう可能性もある。
NHKを除く、放送、通信、新聞といった報道機関に対しては監督する官庁は存在しない。民放だけは、公共電波を利用するために、総務省の電波行政下に置かれるが、報道内容や経営に対しては基本的に干渉は受けない組織である。半面NHKは、公共であるが故にさまざまな制約が設けられている。
同じ世界にいたというだけで、記者の成れの果てが必ずしも優れた経営者になるとは限らない。それであっても、外部からの人材を受け入れるのに抵抗する体質がある。特に新聞界にはこの傾向が強い。
過去4代のプロパー会長については功罪それぞれある。橋本元一現会長は、問題山積の中で比較的頑張った方だ。言論機関としての役割と企業経営とは本来、相容れないものがある。福地氏はそのことをよく承知してコトに臨まなければならない。
歴代会長には、朝日新聞社OBや財界、官界からの起用が目立ったが、ここ4代はNHK内部出身者が占めた。改革を進める上では内部からの登用には限界がある。広く外部から人材を探す必要があった。福地氏の手腕は未知数だが、荷が重すぎるような気がする。
今回の人選でいくつか指摘したい点がある。経営委の古森重隆委員長は、富士フィルムホールディングの社長であり、福地氏と同様に財界人であることだ。これまでに財界人コンビが委員長、会長に座った例として1988年の磯田一郎氏(住友銀行会長)と池田芳蔵氏(三井物産相談役)のケースがある。報道機関のトップとして、このコンビは機能せず失敗に終わった。この轍を踏むことにならないか。
古森氏は、最終的に自分の交友関係から同じ長崎出身の福地氏を推挙したが、財界以外に選択範囲をもっと広げるべきであった。個人的な関係を重視した感が否めない。NHK会長職は激務であり、73歳の老人が就くポストではない。もっと若返る必要があった。NHKは民放とは異なり、公共性や中立性、独立性が一層要求される。特定企業色のあるトップは相応しくない。
さらに重要な点は、福地氏が放送界やジャーナリズムとは無縁の世界にいたことだ。いきなり畑違いの場でどこまで改革が進められるかだ。報道機関の特殊性を知るだけで、任期が終わってしまう可能性もある。
NHKを除く、放送、通信、新聞といった報道機関に対しては監督する官庁は存在しない。民放だけは、公共電波を利用するために、総務省の電波行政下に置かれるが、報道内容や経営に対しては基本的に干渉は受けない組織である。半面NHKは、公共であるが故にさまざまな制約が設けられている。
同じ世界にいたというだけで、記者の成れの果てが必ずしも優れた経営者になるとは限らない。それであっても、外部からの人材を受け入れるのに抵抗する体質がある。特に新聞界にはこの傾向が強い。
過去4代のプロパー会長については功罪それぞれある。橋本元一現会長は、問題山積の中で比較的頑張った方だ。言論機関としての役割と企業経営とは本来、相容れないものがある。福地氏はそのことをよく承知してコトに臨まなければならない。
by everyoung
| 2007-12-26 12:02
| 言いたい放題
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